大学への進学に当たり、返済不要の給付型奨学金の利用を検討している方もいることでしょう。   そこで、日本学生支援機構の給付型奨学金の受給要件について、進学前に申し込みをする場合を例に説明します。

給付型奨学金の受給要件の基準は2つ

日本学生支援機構の給付型奨学金について、進学前に申し込み(予約採用)を行い、受給対象となるためには、世帯収入や保有する資産の基準と、学力の基準に該当する必要があります。
 

世帯収入と資産の基準

収入の基準としては、住民税非課税世帯および、それに準ずる世帯のほか、本人や生計維持者の収入によって以下の3つの区分があります。
 


 
出典:独立行政法人 日本学生支援機構 「進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準」
 
収入の基準による3つの区分のうち、どれに該当するのかは家族構成や生計維持者の職業などによって異なります。例えば、会社員など給与所得者の場合、家族構成と目安となる年間収入の上限によって以下の区分となっています。
 

 
出典:独立行政法人 日本学生支援機構 「進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準」
 
また、自営業などの給与所得者以外の世帯では、家族構成や所得の上限(目安)に応じた区分は以下のようになります。
 

 
出典:独立行政法人日本学生支援機構 進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準
 
上記の収入・所得はあくまでも目安であり、個別具体的な状況によっては異なることもあります。おおよその収入基準については、日本学生支援機構ホームページの「進学資金シミュレーター」などで確認するようにしてください。
 
また、収入に加えて資産の基準もあり、奨学金の申し込み時点での本人と生計維持者(親)の資産額について、合計で2000万円未満(生計維持者が1人の場合は1250万円未満)となっています。
 
ここでいう資産とは現金や預貯金、投資用に保有する資産などのことで、土地や建物、生命保険や学資保険は含まれません。また、住宅ローンや自動車ローンといった借り入れ、キャッシングローンなどの負債は資産額から差し引くことはできない点にもご注意ください。
 

学力の基準

給付型奨学金の受給対象となるには、学力などの基準も設けられており、以下のいずれかに該当する必要があります。
 


 
出典:独立行政法人 日本学生支援機構 「進学前(予約採用)の給付奨学金の学力基準」
 
上記のように必ずしも学力だけが判断基準となるわけでなく、学ぶ意欲がある方も支援を受けられるようになっています。
 

給付型だけではなく貸与型の検討も

日本学生支援機構の奨学金には給付型だけでなく、返済が必要となる貸与型も用意されていますが、貸与型には有利子の第二種奨学金のほか、無利子で貸与を受けられる第一種奨学金もあります。
 
返済不用の給付型奨学金は、受給対象となるための基準が貸与型よりも厳しく設定されています。進学に奨学金が必要であれば、返済の義務はありますが貸与型についても検討すると選択肢が広がるでしょう。
 

日本学生支援機構以外の奨学金

条件は限定的になりますが、日本学生支援機構による奨学金以外に、地方自治体や民間団体が実施している給付型奨学金もあります。
 
例えば、公益財団法人 東京海上各務記念財団の給付型奨学金(2022年度の例)では、大学在学中の方を対象として月額5万円が支給され、日本学生支援機構の給付型奨学金との併用も可能となっています。
 
民間団体の奨学金の場合、実施する団体によって対象の大学・学部や募集時期、受給の要件、給付金額などが異なるほか、大学ごとの採用人数も少ないことが多いのですが、給付型奨学金の選択肢のひとつとして検討する価値はあります。
 

給付型奨学金の受給要件は厳しいので事前に確認を

給付型奨学金は、世帯収入や学力の基準が厳格に定められているため、簡単に受給対象となれるわけではありません。
 
大学進学に当たって給付型奨学金の利用を考えているのであれば、受給要件をしっかりと確認しておいてください。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準
独立行政法人 日本学生支援機構 進学前(予約採用)の給付奨学金の学力基準
東京外国語大学 東京海上各務記念財団奨学生への応募について
 
執筆者:柘植輝
行政書士