例年10月に最低賃金の改定があり、2022年10月も同様に改定がありました。今回の改定では、前年より30円ほど上がっている都道府県が多く、最低賃金は全体的に引き上げられました。従来、最低賃金ぎりぎりだった人は、これにより「最低賃金以下」になることが考えられます。その場合はどうしたらよいのでしょうか? そこで本記事では、最低賃金制度の概要と最低賃金の確認方法について解説していきます。

最低賃金制度とは

最低賃金制度は、使用者は「最低賃金法」によって国が定めた最低賃金を上回るように、賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。
 
地域別最低賃金は、各都道府県内の事業場で働く労働者や使用者が対象の最低賃金です。職種は関係なく、各都道府県によって異なった最低賃金が定められています。特定(産業別)最低賃金は特定の産業によって定められた最低賃金です。
 

最低賃金制度の対象はどんな人?

最低賃金制度は雇用形態に関係なく労働者であれば対象になります。つまり、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイト、派遣労働者など、すべての労働者が対象です。しかし、特定(産業別)最低賃金については、適用されない場合もあるので注意しましょう。
また、最低賃金を一律にするとかえって雇用機会を狭めてしまうような労働者については、個別に最低賃金の減額が許可されることもあります。
 

最低賃金以下の場合はどうなる?

もしも合意の上で最低賃金以下の賃金で契約したとしても、その契約は無効となり、「最低賃金と同額の契約」であったとみなされます。そのため、さらに最低賃金との差額を受け取ることが可能です。使用者側は、早急に最低賃金を支払う必要があり、支払わなかった場合は罰金となります。
 

最低賃金の確認方法

最低賃金の確認方法は、時間給、日給、月給によって異なります。時間給の場合は、「時間給≧最低賃金額(時間額)」で確認できます。
日給の場合は、「日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)」で確認できます。しかし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金の場合は、日給≧最低賃金額で確認します。
 
月給の場合は、「月給÷1ヶ月の平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)」で確認することが可能です。
 

派遣労働者の場合はどうなる?

派遣労働者の場合は、派遣元の事業場ではなく、派遣先の事業場が対象の地域になります。そのため、派遣元と派遣先が都道府県をまたぐような場合は注意してください。例えば、千葉県に在住している派遣労働者で派遣元が東京都、派遣先が埼玉県である場合は、派遣先の埼玉県の最低賃金が適用されます。
 

この機会に最低賃金の確認方法を覚えておきましょう

本記事では、最低賃金制度の概要と最低賃金の確認方法について解説してきました。最低賃金制度は、生活に直接関わってくる制度です。特に、最低賃金の改定の時期は、気がつかないうちに最低賃金未満の賃金になっていることも考えられます。そのため、この機会に最低賃金の確認方法を覚え、自分の地域別最低賃金はいくらなのか確認しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 最低賃金制度とは

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

厚生労働省 必ずチェック最低賃金 適用される対象者は?

厚生労働省 必ずチェック最低賃金 最低賃金のチェック方法は?

厚生労働省 必ずチェック最低賃金 派遣労働者の最低賃金は?

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部