不動産証券化とは
不動産証券化とは「不動産の売買をしやすくするために、不動産を管理する会社などを立ち上げて、不動産の権利を証券化する手法」のことをいいます。
不動産は高額で、投資家が簡単に買えるものではありません。そこで、不動産を証券化し小口化することで、投資家は少額からの不動産投資が可能です。不動産所有者も、不動産を証券化したあとも利用は可能なうえに、必要に応じて証券を買い戻すことで所有権を戻すこともできます。
不動産証券化の市場規模は拡大している
不動産証券化の市場は年々拡大しています。
国土交通省によると国内の不動産証券化の市場規模は、平成27年には29兆9000万円、令和3年には46兆8000万円と、7年間で約1.56倍になっています。
代表的な不動産証券「REIT」とは?
REITとは「不動産投資信託」とよばれる、代表的な投資信託の一種です。REITを発行する不動産投資ファンドが、物件の管理・運営を行い、そこから発生する売買益や賃料などの収入からコストを差し引いたものを、REITを保有している投資家たちに配当として還元します。REITは上場されているので、上場株式と同様に市場で自由に取引ができます。
ここからはREITに投資するメリットと、REITに投資する際の注意点について見ていきましょう。
REITに投資するメリット
REITのもっとも大きなメリットは、少額から不動産に投資できる点です。不動産の取引をする際は最低でも数百万円は必要で、場合によっては数千万〜数億円のお金が動くことも少なくありません。しかし、REITは1口数万〜数十万円程度で投資できます。また、最低でも100単元からしか取引できない株式とは違い、REITは1口から取引ができる点も魅力です。
また、維持・管理の手間がかからない点も利点です。不動産を現物で購入して運用する場合、固定資産税や火災保険料、修繕費といったコストがかかりますが、REITではそういった手間は一切ありません。
REITに投資する際の注意点
以上のメリットだけ見ると魅力的に思えるREITですが、注意点もあります。
まず、不動産価格や収益が変動するリスクです。REITも株式と同じくリスク資産であり価格は日々変動します。さらに、REITは商品の特性上、不動産市況や自然災害のリスクを受けることが大きいのも特徴です。
また、不動産の投資ファンドは銀行から融資を受けて不動産に投資をしているため、金利が上昇すると支払う利息も大きくなる点にも注意が必要です。
不動産証券の特徴やリスクをよく知ろう!
不動産は安定した利回りが期待できる歴史のある資産です。投資をするには多くの資金が必要でしたが、REITがそれを解決してくれました。しかし、REITは投資対象が不動産のみである以上、不動産ならではのリスクも受ける点には注意が必要です。
不動産投資に興味のある人は、REITから始めるのもいいでしょう。
出典
国土交通省 不動産証券化の実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部