将来的に年金だけで生活するのは無理かもしれないと危機感を持つ人も多いかもしれません。そこで本記事では老後破産を避ける方法を3つ紹介します。

年金だけでは足りずに赤字になる可能性が高い

老後のお金としてまず考えるのが年金ですが、年金だけで老後の生活を賄うのは非常に難しい時代になっています。
 
国民年金の老齢基礎年金の受取額は、40年間保険料を満額納付した場合、月額6万4816円(令和4年4月時点)です。会社員等で厚生年金にも加入している場合は15万円近くもらえる可能性もありますが、年金だけで老後は安心とはいいにくいですね。
 
また、今後の年金額はその時の物価の状況等によって変動する可能性があります。毎月老齢基礎年金の約6万円だけで生活するのはほぼ不可能です。当然ながら老後も生活していくためにはお金がかかるからです。
 
総務省統計局の2021年(令和3年)家計調査年報(家計収支編)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月額22万4436円、65歳以上の単身無職世帯は月額13万2476円でした。仮に単身で老後を迎える場合、収入6万円で支出が13万円だと7万円の赤字です。
 
最低限度の生活でいいと考えていたとしても、病気やけがをすると通院費や入院費等が発生する可能性もあります。健康で長生きできたとしても趣味や旅行などにお金を使う機会もあります。そうすると、赤字額はさらに膨らんでしまいます。
 
では、ここから少しでもこのような事態や老後破産を避けるにはどうすれば良いのでしょうか。
 

(1)定年後も長く働き続けて収入を確保する

老後破産を防ぐにはできる限り収支を黒字にして継続させることが重要です。ただ、生活費を極端に低く抑えるのは現実的ではないので、やはり収入を年金のみに依存しないことが大切です。
 
そのために定年を迎えても仕事を辞めてしまうのではなく、できる限り長く働き続ける必要があります。今までの勤務先から再雇用されると全く同じ仕事をしていても給料が下がる可能性もあります。ただし、仮に月収20万円前後になったとしてもゼロに比べたら全然違います。
 
完全にゼロから仕事を探す場合は手間や労力もかかり、実際に働き始めて収入を手に入れるまでには、さらに時間がかかることもあります。いま収入が減ったら困る場合はなおさら、勤務先に再雇用の制度や選択肢がないか確認しておきましょう。
 
いずれ副業や独立を考えていたとしても、まずは慣れた職場で働いて収入を得ながら準備することができます。
 
もし年金に頼らなくても生活できる場合は、年金の受け取りを遅らせる(年金の繰下げ)ことも検討してみましょう。65歳で受け取らず、最大75歳まで受給開始を延長することができます。
 
もし75歳まで繰り下げると最大84%年金が増えます。例えば65歳から受け取る年金額が月額6万円の場合、11万400円まで増やすことができます。延長した期間によって年金額が増え、増額率は一生変わらないのも大きなメリットです。
 
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、同時ではなく別々で繰り下げることもできます。「基礎年金分は生活費に使いたいけど厚生年金の部分はまだなくても大丈夫」といった場合は検討してみてください。
 

(2)固定費の見直しを行って大きな支出を抑える

収入の確保をしながら無駄な出費がないか支出の見直しも同時に行います。特に住宅や保険など定期的に支払いが発生する固定費の見直しは必須です。
 
以前から契約している保険がある場合は、いまの状況に合っているのか見直しましょう。子どもが全員独立して夫婦2人だけの生活になった等、環境が大きく変化しているにもかかわらず、昔加入した保険をそのまま放置しているという人もいるのではないでしょうか。
 
もし毎月の固定費を2万円抑えられると、年間24万円の節約につながります。浮いたお金で旅行をするなど、別の目的に活用することができます。
 

(3)万一の場合は家族の扶養に入ってサポートを受ける

働くのも支出の見直しもすぐには難しい場合、子どもや家族の扶養に入ってサポートを受けることも選択肢の1つです。
 
子どもの負担が増えるだけではないかと心配になるかもしれませんが、子どもは親を扶養に入れることで58万円の扶養控除を受けられます。親が病気やけがによって通院する場合は、病院等に払った領収書をとっておくことで医療費控除を受けられます。
 
このように子どもが損するだけとはいい切れません。ただし、親子で共倒れとなっては意味がないので、家族のサポートを考える場合は、慎重にも話し合うことをおすすめします。
 

まとめ

本記事では、老後破産を避ける方法を3つ紹介しました。老後破産は誰にでも起こる可能性があり、いざというときは自分だけでなく、家族や周りにも大きな影響を与えてしまうかもしれません。決してひとごとではないからこそ、今から少しずつできることをやっていきたいですね。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要 総世帯及び単身世帯の家計収支

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について

日本年金機構 年金の繰下げ受給

国税庁 No.1180 扶養控除

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部