厚生年金受給額の年金受給額
まず、会社員や公務員などの厚生年金受給者が受給する年金額の相場を確認します。厚生年金受給者の年金受給額分布は図表1のとおりです。
図表1
年金受給額(月額) | 受給人数 |
---|---|
5万円未満 | 38万8575人 |
5万円以上10万円未満 | 336万1204人 |
10万円以上15万円未満 | 497万6556人 |
15万円以上20万円未満 | 495万2516人 |
20万円以上25万円未満 | 223万4558人 |
25万円以上30万円未満 | 25万2220人 |
30万円以上 | 1万4816人 |
厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に筆者作成
10万円以上15万円未満がもっとも多く、次に15万円以上20万円未満と続きます。
共働き夫婦で夫婦ともに月15万円以上の年金を受給する場合、月30万円以上の年金受給が可能です。月に15万円以上の年金を受給する人も多くいるため、難易度はそこまで高くないでしょう。
国民年金の受給額
国民年金の受給額はどの程度が相場なのでしょうか?国民年金の受給額ごとの分布は図表2のとおりです。
図表2
年金受給額(月額) | 受給人数 |
---|---|
1万円未満 | 7万27人 |
1万円以上2万円未満 | 28万4152人 |
2万円以上3万円未満 | 90万3006人 |
3万円以上4万円未満 | 274万9550人 |
4万円以上5万円未満 | 463万6048人 |
5万円以上6万円未満 | 791万730人 |
6万円以上7万円未満 | 1500万3006人 |
7万円以上 | 187万2466人 |
厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に筆者作成
月6万円以上7万円未満がもっとも多いです。厚生年金受給者と比較して、自営業者や専業主婦などの国民年金のみを受給する人の受給額はかなり少なくなっています。
そのため、国民年金のみを受給する自営業者の夫婦や専業主婦(夫)がいる世帯では、夫婦で月30万円以上の年金受給は一般的に難しいでしょう。
共働き夫婦が月30万円の年金を受給するための条件
では、共働き夫婦が月に30万円の年金を受給するにはどのような条件を満たす必要があるのでしょうか?
夫婦とも1980年生まれで、23歳から60歳まで働き65歳から年金を受給する前提でシミュレーションします。
6夫婦で月30万円以上(年間360万円以上)の年金を受給するために必要な年収の組み合わせ例は図表3のとおりです。
図表3
夫の年収 | 夫の年金受給額 | 妻の年収 | 妻の年金受給額 | |
---|---|---|---|---|
1 | 300万円 | 年間134万円 | 770万円 | 年間227万円 |
2 | 400万円 | 年間151万円 | 690万円 | 年間211万円 |
3 | 500万円 | 年間173万円 | 570万円 | 年間187万円 |
厚生労働省「公的年金シミュレーター」を基に筆者作成
夫婦いずれかの平均年収が高いか、夫婦2人ともの平均年収が平均よりもやや高ければ月30万円以上の年金受給が可能です。
年金受給額を把握しよう
お金に苦労しない老後を送るためには、老後のシミュレーションが大切です。厚生労働省の「公的年金シミュレーター」などで簡単にシミュレーションができます。
まずは、現在の働き方を続けた場合にいくらの年金が受給できるのかを知ることから始めてみてください。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) II 総世帯及び単身世帯の家計収支
厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 公的年金シミュレーター
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部