ガソリン代が高騰している現在、いっそガソリン車からEV(電気自動車)に乗り換えた方がよいのではと考えている方もいらっしゃるようです。また、ガソリンは二重課税になっているのではという声も上がっています。そこで、ガソリン税が本当に二重課税となっているのか。電気自動車に乗り換えた方がおトクであるのか考えてみます。

ガソリン税は二重課税?

ガソリンが二重課税といわれる理由は消費税のかかり方にあります。私たちが購入するガソリンの購入価格には1リットル当たり53.8円のガソリン税が含まれています。例えば、店頭に「1リットル160円」と掲げられて販売されているガソリンの場合、ガソリン税を除いた代金が106.2円であるということになります。
 
ここで問題になるのが消費税です。消費税は物やサービスの価格に対して10%となっています。そのため、消費税は10.62円になるのではないかと考えられそうです。しかし現実にはガソリン税の部分である53.8円にも消費税がかかり、消費税含めたガソリンの購入価格は176円となってしまうのです。つまり、税金であるガソリン税にさらに消費税がかかることから二重課税だといわれているのです。
 
これに対して国税庁は、ガソリン税を納めるのは事業者であり、事業者はそれを支払えるだけの価格としてガソリンの店頭販売価格を決めていること、消費税を納めるのは消費者であり消費税は事業者が決めた店頭販売価格に対してかかっていることなどを理由に二重課税ではないと判断しているようです。
 

ガソリン車からEVに乗り換えた方がおトク?

絶対というわけではありませんが、ガソリン車からEVに乗り換えることでお得になることもあるようです。
 
月800km走行した場合のランニングコストについて、1リットル当たり20キロ走行するガソリン車(ガソリン代は160円)とEV(⽇産リーフの40kWh)で比較すると、ガソリン車の月間コストが6400円なのに対し、EVの場合2217円となるようです(※日産のコスト比較シミュレーターで試算)。
 
お住まいの地域のガソリン価格や契約している電力会社・プランなどによっても異なりますが、燃料代含めたランニングコストを考えるのであればEVに乗り換えた方がお得になる可能性があります。
実際、EVに乗り換えたことで維持費や燃料代の安さを理由に満足しているという方は多くいらっしゃいます(スパコロ調べ)。
 

EVに乗り換える場合の注意点

たしかにEVに乗り換えることでガソリンを購入することがなくなり燃料代などランニングコストはおトクになるかもしれません。しかし、EVにはEVならではの注意点があります。EVの充電スポットはまだまだ多くはありません。そのため、バッテリー残量が減ってきたから街中で気軽に充電というわけにはいかないのです。
 
また、充電には時間がかかります。ガソリン車のように、出先のスタンドにて5分で満タンというわけにはいかないのです。このようにガソリン車とEV車とではさまざまな点で違いがあります。EVに乗り換えるのであれば、必ずEVについて良い面と悪い面含めて知っておく必要があるでしょう。
 

EVに乗り換えるとお得になるが安易な乗り換えは避けること


 
ガソリンは二重課税という話が持ち上がるほど値上がりが続いていますが、EVに乗り換えることでガソリン代含めたランニングコストを安くすることができます。
 
しかし、EVには独自の注意点があります。お金の面だけを見てお得だからと安易に乗り換えるのではなく、EVについて正しく理解し、メリット・デメリットを踏まえた上で乗り換えをするようにしてください。
 

出典

株式会社スパコロ ユーザー意識可視化調査 電気自動車編

日産 コスト比較シミュレーター

 
執筆者:柘植輝
行政書士