寒い冬場には、エアコンのような暖房機器の使用がかかせませんが、気になるのが電気代です。暖房をこまめに消したほうがよいのか、それとも、つけっぱなしのほうが電気代を抑えられるのか、気になる方も少なくないでしょう。   本記事では、結局のところ、どちらがお得なのかを、データも交えつつ解説します。

暖房はこまめに消すべき?

暖房をはじめとした電化製品は、電源を入れて起動するときに、もっとも電力を消費するといわれています。これが事実だとすれば、暖房の電源をこまめに切るよりも、つけっぱなしのほうが、電気代の節約には有効だと考えられます。
 
空調機器メーカーとして知られる「ダイキン工業株式会社」が、興味深いデータを公表していますのでみてみましょう。
 
同社が行った調査によると、日中に暖房をつけっぱなしにしたときの消費電力量は7.8kWh、電気代に換算して211円でした。一方、30分間隔でこまめに電源を切ったケースでは、消費電力量は11.2kWh、電気代に換算して302円という結果が出ています。
 
同社が実施した実証実験では、すべての時間帯において、つけっぱなしにした消費電力量のほうが低くなっています。ただ、長時間外出する際などには、電源を切ったほうが電気代を節約できるという検証結果も出ているため、ケース・バイ・ケースで使い分けるとよいでしょう。
 

冬の電気代を節約する方法

暖房機器を使用する冬場は、どうしても電気代が高くなりがちです。暖房の使い方を意識するだけでなく、エアコンのフィルターを掃除する、適切な室温を保つなどの工夫によって、電気代の節約が可能です。
 

エアコンのフィルターをきれいな状態に保つ

エアコンのフィルターが汚れたままでは、機器に余計な負荷をかけてしまい、結果的に多くの電力を消費します。フィルターをきれいにしておけば、スムーズに空気を取り入れられるため、電気代の節約につながります。
 
エアコンのフィルターは、外のカバーを外せば、簡単に取り外し可能です。水洗いしたうえでしっかりと乾かして、再度装着しましょう。
 

外気をシャットアウトする

外気をシャットアウトする工夫をすることも、電気代の節約には有効です。外気の侵入を少しでも防げれば、少ない消費電力で部屋を暖められます。窓ガラスに断熱シートを施工することや、断熱カーテンを導入することなどがおすすめです。
 
高額な断熱カーテンを購入せずとも、カーテンを二重にすることで、同様の効果を得られます。床ギリギリまでをカバーできるタイプであれば、すき間から冷気が入り込むことも抑えられます。
 

適切な室温を保つ

暖房の設定温度を1℃低くするだけで、消費電力を10%削減できるといわれています。わずか1℃の違いでも、節約につながりますので、適切な温度設定を行いましょう。
 
なお、環境省が推奨している暖房温度の目安は、20℃です。低すぎると感じるかもしれませんが、外気をシャットアウトする工夫もすれば、20℃でも快適に過ごせます。
 

使わない家電のコンセントを抜く

電化製品のなかには、コンセントにプラグをさしているだけで、電力を消費してしまう製品もあります。それほど多くの電力を消費するわけではないものの、いくつもの家電を導入している家庭であれば、使用していない製品のプラグを抜くことで、電気代の節約につながります。
 

室外機の周りをチェック

エアコンの室外機が、スムーズに稼働できる状態でないと、必要以上にパワーを使用して、電気代の高騰につながります。室外機を遮るように物を置いていないか、落ち葉などのゴミで表面がふさがれていないか、といったことをチェックしましょう。
 

工夫次第で冬の暖房代を節約することは可能

暖房は、つけっぱなしのほうが電気代を抑えられるものの、場合によっては高くなるケースもあります。常につけっぱなしにするのではなく、ケース・バイ・ケースで使い分けましょう。
 
また、エアコンの電源だけに目を向けるのではなく、外気をシャットアウトする、エアコンのフィルターを掃除するなど、電気代の節約に有効なほかの方法も併用することで、より効果が期待できます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー