銀行のITサービスが普及するにつれ、通帳のペーパーレス化も進んでいます。とはいえ、デジタル通帳を申し込める場合でも、人によっては紙通帳のほうが適しているかもしれません。   そこで本記事では、デジタル通帳と紙通帳のメリットとデメリットについて詳しく紹介していきます。その上で紙通帳の必要性も説明するので、選択に迷った場合の判断材料にしてください。

紙通帳のメリットとデメリット

まず紙通帳の主なメリットとデメリットを以下に紹介します。
 

メリット

スマートフォンなどの端末がなくても、いつでも記載された内容を参照できます。インターネットも不要であり、公式サイトやアプリの使用方法を覚える必要がありません。
 
また、お金の出し入れや振り込みの際、忘れたくないことがあれば、紙面の余白などに書き込めます。新しい通帳に繰り越すたび、古い通帳を過去の記録として残していくことも可能です。
 

デメリット

手に取って開くだけで、誰でも簡単に中身をチェックできてしまいます。預貯金や収入、支出といった重要な情報を知られるリスクがあるため、保管場所には気を使わなければなりません。また、デジタル通帳への移行を推進している銀行の場合、紙通帳の発行に手数料がかかるケースもあります。
 

デジタル通帳のメリットとデメリット

以下に紹介するのは、デジタル通帳の代表的なメリットとデメリットです。
 

メリット

記帳の手間がかからず、銀行に行かなくても内容が更新されます。
 
データは銀行のサーバーにあるので、紛失してしまうリスクはありません。IDやパスワードを他人に知られなければ、不正にアクセスされる可能性は低く、2段階認証やワンタイムパスワードなどの対策を講じている銀行も多いです。取引にかかった手数料のキャッシュバックのように、デジタル通帳の人だけを対象とする特典も見受けられます。
 

デメリット

最新の50件や1年分しか記録が表示されないなど、閲覧できる範囲に制限を設けているケースがあります。通信障害やサーバーのメンテナンスによって、アクセスできなくなる可能性がある点にも注意が必要です。
 
また、銀行のセキュリティーが万全でも、自分のインターネット環境が悪ければ、パスワードを記したファイルが流出するようなリスクは残ります。
 

もう紙通帳は不要になったのか?

紙通帳の必要性は人によって異なるのが実情です。デジタル通帳のデメリットが不安な人や、紙通帳のメリットに魅力を感じる人は、紙通帳の必要性が高いといえます。
 
また、名義人である自分だけでなく、家族が判断に関係するケースもあるでしょう。配偶者や親と共有したい場合、その中にインターネットに不慣れな人がいると、紙通帳のほうが管理や運用をしやすいです。
 
なお、利用者のITリテラシーが高くなれば、その分だけデジタル通帳の安全性や利便性も向上します。よって、現時点では紙通帳が必要と思っていても、いずれデジタル通帳に変更したくなる可能性もあるのです。
 

メリットとデメリットを踏まえて選択しよう!

紙通帳とデジタル通帳には異なる特徴があります。二者択一の場合、それぞれのメリットとデメリットを考慮した上で、使い勝手がよさそうなほうを選択することが大事です。
 
ただし、銀行によっては将来的に紙通帳を廃止する可能性もあります。そのときになって慌てないように、先を見据えて選ぶという考え方もあるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー