近年、エナジードリンクが普及してきています。手軽に摂取でき、一時的な活力を得られるため、特に忙しいビジネスマンや流行に敏感な若者とっては魅力的な商品です。しかしながら、お昼ごはんをエナジードリンクに置き換えるという行為は、果たして節約につながるのでしょうか。   本記事では、これらの疑問について健康的な面もあわせて考察していきます。

エナジードリンクとその効果

エナジードリンクは、主にカフェインやタウリンなどを含む飲料で、それらを即時に補給するためのものです。世界中でさまざまな種類のものが販売されており、エナジーブーストや覚醒効果をもたらすとされています。短期間で集中力を高める効果を期待して、プロジェクトの締め切りに追われるビジネスマンに特に人気があります。また、長時間の運転を強いられるトラック運転手や、流行に敏感な若者たちにとっても非常にポピュラーな商品です。
 
しかしながら、カフェインの過剰摂取は注意したい点です。パッケージにその商品のカフェイン含有量とともに、一日の摂取許容量についての注意書きが記載されているものもありますので、事前に確認するべきでしょう。
 
ちなみに、エナジードリンクの中には、砂糖ではなく人工甘味料を使用しているものがあり、その場合は甘みを加える一方でカロリーは抑えられているものがほとんどです。
 

昼食をエナジードリンクに置き換えたときの節約金額

昼食代を1日1000円として1年間過ごし、標準的なエナジードリンクの価格を210円と仮定して試算してみましょう。法定労働時間の週40時間を守って、年間52週働くと2080時間が1年間の労働時間となります。1日8時間で割ると、260日出勤することになるので、昼食は260回と考えましょう。この条件で、通常の昼食をとると、1年間の総額は26万円です。またエナジードリンクでは総額5万4600円となります。この差額を求めると、昼食の代わりにエナジードリンクを毎日飲んでいれば、20万5400円の節約となります。
 

エナジードリンクの健康への影響

エナジードリンクは一時的な活力を与えるものの、その主成分であるカフェインは適量を超えると健康に悪影響を及ぼします。日本の厚生労働省や農林水産省の発表によると、一日のカフェイン摂取量は成人男性で400mg、成人女性で200mgが適量とされています。エナジードリンク1本のカフェイン含有量は80mg程度です。もし、お昼ごはんをエナジードリンクに置き換えることが日常的になったとして、さらに休憩時間にカフェインを含むコーヒーを飲んだりすれば、一日の適量を超えるリスクが高まります。
 
過剰なカフェイン摂取は、心拍数の増加や睡眠障害を引き起こす可能性があります。また、多くのエナジードリンクにはビタミンやミネラルなど、食事をしたときに摂取できる栄養素が十分に含んでいるとはいえません。昼食をエナジードリンクに置き換えることを続けると、必要な栄養が摂れず、長期的には健康を損なう可能性が高まるでしょう。
 

健康を考えると、エナジードリンクを昼食に置き換える行為は節約目的であってもおすすめしない

エナジードリンクはその手軽さと即効性から、多忙な現代社会で多くの人たちに支持されています。昼食をエナジードリンクに置き換えることで節約ができるという視点からは、一見魅力的に見えるかもしれません。しかし、その長期的な健康への影響を考慮すると、節約と引き換えに健康を犠牲にする行為は賢明ではないといえるでしょう。エナジードリンクを飲む際は、適量を心がけましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー