野菜を調理するとき、皮などを捨てていませんか? 実は野菜の皮やワタなどには、栄養成分が豊富に含まれています。   野菜の皮やワタまでおいしく食べられれば、栄養をまるごと摂取できるだけでなく、食費の節約にもつながります。調理法を工夫して、野菜の栄養を余すことなく摂取しましょう。   この記事では、皮まで残さずに食べたい野菜の例と、その調理法を紹介します。

大根の皮はきんぴらがおすすめ

大根の皮には食物繊維が豊富です。食物繊維は人間の消化酵素では消化できない物質で、整腸作用があり、便通を整える働きをします。
 
ほかにも脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあるため、肥満や高脂血症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病を予防する効果も期待できます。
 
大根の皮は水分が少なく固いため、煮物や鍋などにすると食感が悪く感じられることがあるかもしれません。そこでおすすめなのが、千切りにした大根の皮をきんぴらにすることです。油はごま油を使い、赤唐辛子を加えると風味良く仕上がります。
 
さらに、大根の葉もぜひ食べましょう。大根の葉には、ビタミンCやβ-カロテン、カルシウムなどが含まれています。ごま油でさっと炒めてしょうゆや砂糖、酒で味つけし、かつお節と合わせて白飯に乗せて食べるとおいしいです。
 

ニンジンの皮は油と合わせて

ニンジンは緑黄色野菜の中でも特にβ-カロテンが多く含まれる食材です。β-カロテンは抗酸化作用があり、体内の活性酸素を減らす働きをします。
 
加えて、体内で必要な分だけビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。ニンジンのβ-カロテンは皮の近くに多く含まれているため、皮まで食べることで効率よく摂取できます。
 
β-カロテンは脂溶性なので、油を使って調理するのがポイントです。かき揚げの具材にしたり、大根の皮とともにきんぴらにしたりしておいしく味わいましょう。皮ごと千切りにしたニンジンを、ツナの缶詰や卵とともに炒めた「ニンジンしりしり」もおすすめです。
 

ピーマンは種やワタも味わおう

ピーマンにはビタミンCやβ-カロテンが豊富に含まれています。ビタミンCは皮膚や粘膜の健康を保つほか、抗酸化作用もあることで知られる成分です。
 
またピーマン特有の香りは、ピラジンという成分によるものです。ピラジンは種やワタに多く含まれ、血流をよくする作用があります。
 
ピーマンの栄養をまるごと摂取するなら、種やワタまで一緒に食べるのがポイント。ピーマンの種やワタは本体に比べて苦みが少し強いものの、比較的やわらかいので加熱すれば食べやすくなります。
 
おすすめのメニューは、ピーマンに味付けしたひき肉を詰めて焼く「肉詰め」です。種やワタも入れたまま調理しましょう。油で焼くことで、β-カロテンも効率よく摂取できます。
 

野菜の皮やワタもおいしく食べよう

捨てればゴミになる野菜の皮も、ちょっと工夫するだけでおいしい1品になります。また、皮やワタまで食べることで、野菜の栄養素を無駄なく摂取できます。
 
野菜の皮は固いことが多いため、炒める、揚げる、焼くなどの食感を生かした調理法がおすすめです。健康増進と食費節約のためにも、野菜の皮は捨てずにおいしく食べましょう。
 

出典

厚生労働省 e-ヘルスネット 食物繊維
厚生労働省 e-ヘルスネット 緑黄色野菜
独立行政法人農畜産業振興機構

農畜産業振興機構 作付けされている主な品種等 だいこん

農畜産業振興機構 作付けされている主な品種等 にんじん

農畜産業振興機構 作付けされている主な品種等 ピーマン
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー