新型コロナもひと段落したことで、今年の夏休みに海外旅行を計画している人も少なくないようです。買い物も海外旅行の楽しみの1つですが、海外では高額な現金の所持は危険です。   そのため、決済方法にはクレジットカードやデビットカードがお勧めですが、海外での買い物にはどちらのカードが向いているのでしょうか?   それぞれのメリット・デメリットや手数料を知った上で判断するようにしましょう。

クレジットカードを海外で使う際のメリット・デメリット

クレジットカードで決済すれば、商品やサービスの料金を後払いできます。そのため、クレジットカードを作る際には、カード発行会社が申請者の属性や収入などを審査するのが一般的です。
 

クレジットカードの仕組み

会員がクレジットカードで決済すると、その情報がカード発行会社へ転送され、会員に代わって料金を支払います。その後、カードの契約時に決められた期日に、カード発行会社から料金が請求されますが、原則口座からの引き落としです。これは、海外で決済したときも同様です。
 

クレジットカードのメリット

現地で現金が必要なときは、クレジットカードを使って現地通貨を海外ATMで引き出せます(海外キャッシング)。その他にも、付帯保険(海外旅行傷害保険やショッピング保険など)が付いているのもクレジットカードのメリットです。
 

クレジットカードのデメリット

使える国際ブランドが限られている店舗もあるため、利用する前に自分のカードが使えるかどうかの確認が必要です。また、海外ではクレジットカードの情報を盗み取るスキミングという技術を悪用した犯罪が少なくありません。そのため、クレジットカードを使う際には細心の注意を払う必要があります。
 

デビットカードを海外で使う際のメリット・デメリット

デビットカードは、カード発行会社に申し込めば、15歳以上なら誰でも審査なしで利用できます。買い物などの料金をデビットカードで決済すると、銀行口座から即時に引き落とされるのが基本的な仕組みです。
 

デビットカードのメリット

海外キャッシングが可能であったり、付帯保険が付いていたりする点はクレジットカードと同様です。ただし、デビットカードは即時決済のため、現金感覚で買い物ができるというメリットがあります。また、あらかじめ口座に入金しておいた金額が利用上限になるため、使いすぎを防ぐことも可能です。
 

デビットカードのデメリット

デメリットは、クレジットカードと同じです。ほかにも、デビットカードには分割払いができないというデメリットがあります。
 

クレジットカードとデビットカードの手数料

クレジットカードとデビットカードを海外の買い物で使う際には、手数料が発生します。それぞれの手数料は次の通りです。
 

クレジットカードの手数料

クレジットカードで決済するときは、一括払い、分割払い、リボ払いの中から選択します。このうち、手数料が発生するのは分割払い(3回以上)とリボ払いです。
 
なお、クレジットカードの手数料は原則、実質年率で表示されます。参考までにA社とB社の分割払い(3回)の手数料を紹介すると、A社が実質年率12.25%で利用料金100円当たり2.04円、B社が実質12.00%で利用料金100円当たり2.01円です。
 
また、海外ATMで現地通貨を引き出す際にも手数料が発生します。手数料は、A社B社とも1万円以下が110円と利息で、1万円以上が220円と利息です。
 

デビットカードの手数料

海外で買い物をした際の決済では、海外事務手数料(1.60%〜3.5%程度)が発生します。海外キャッシングの手数料はクレジットカードと同額です。
 

迷った場合は両方のカードを使い分けよう

クレジットカードとデビットカードのメリット・デメリットには共通項があるため、どちらが海外旅行の買い物に向いているとはいえません。
 
ただし、クレジットカードには分割払いが可能という、デビットカードにはないメリットがあり、デビットカードには即時決済という、クレジットカードにはないメリットがあります。どちらか一方にする必要はないため、迷った場合は両方のカードを状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
 
※記事内の利率、手数料は2023年5月29日現在のものです。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー