保育士はこれからの日本の未来を担っていく子どもを育てる仕事であり、働いている最中も気を張り続けなければいけません。しかし、労働環境の悪さや給料の低さがたびたび話題に挙がる職業であり、待遇が良くないと悩んでいる保育士も多いです。   労働環境や給料は生活を守るためにも重要であり、少しでも良い環境で働きたいと考えるのは普通といえます。どうして保育士の労働環境・待遇が良くないのか気になる保護者の人などもいるでしょう。今回は保育士の労働状況について解説するので参考にしてください。

保育士によって働く条件は異なる

保育士によって働く状況は異なっているため、すべての保育士が待遇に不満を抱えているとはいえません。働いている保育園によっては十分な待遇が用意されているケースもあり、勤続年数によってどんどん昇給する場合も考えられます。また、正社員として働いているのか派遣社員・パートとして働いているかも大きく影響するため、自身が働いている環境を変えると待遇面が改善する可能性もあるでしょう。
 
しかし、世間一般的には保育士は待遇が良くないとされており、実際に厚生労働省が発表している令和3年賃金構造基本統計調査では保育士年収は年間約382万円です。国税庁の令和3年分 民間給与実態統計調査によると、日本全体の給与所得者の平均年収は443万円であるため、保育士は決して給与水準が高い職業とはいえません。そのため、平均給与以上稼ぐためには働く環境についてもこだわる必要があります。
 
手取り15万円で働いている人は保育士平均からみても給与が少ない環境なので、将来的に安定した収入を得たいと考えているなら転職なども視野に入れて考えましょう。また、手取り15万円としても賞与などが非常に多い場合や、昇給が期待できる、住宅補助などの福利厚生が充実しているといった場合は、月の収入ではなく、将来得られるであろう収入をベースに考えてみると良いでしょう。
 

働く前に待遇を確認しておく

働く前は、待遇を確認して、自身が落ち着いて生活などを送れるかを判断しなければいけません。先述したように保育士として働き始めたタイミングでは手取りが15万円でも、将来的には日本の平均給与を大きく超えられる職場もあります。働き始めたタイミングの待遇も重要ですが、働き続けた場合の待遇についても把握しておきましょう。
 
長く保育士としての経験を積んでいけば役職に就く可能性もあるため、役職手当などによって待遇面が大きく改善されるかもしれません。面接のタイミングなどで待遇面については質問しにくいと思っても、これから長期間にわたって働くなら気になる点は確認することが重要です。
働き始めてから、保育士として頑張っているのに責任と給与が釣り合わないため転職したいと感じても、転職活動は時間的、精神的な負担となりやすいです。そのため、働く前に待遇をしっかり確認して、自身が納得できる環境で働きましょう。
 

まとめ

保育士は子どもたちの成長を見守る大切な仕事ですが、待遇面については不満を抱えるケースは多いです。保育士の多くは子どもが好きとの思いから働いており、だからこそ給与と業務量に悩むケースもあるでしょう。待遇面での不安がなければ、より保育士として力を発揮できるという人も多いのではないでしょうか。
これから日本の未来を担っていく子どもたちを見守る仕事である保育士ですが、待遇面などが改善されて、働きやすい職業になることを期待します。
 

出典

国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー