奨学金300万円を完済するにはどのくらいかかる?
奨学金を完済するまでの期間は、どの奨学金を借りるかで変わってきます。独立行政法人日本学生支援機構の「奨学金貸与・返還シミュレーション」を利用し、確認してみましょう。なお、「学校の種類」は大学(学部)、「入学時特別増額貸与奨学金」および「増額貸与総額」はなし、としてシミュレーションしてみます。
まず、無利子の貸与型奨学金である第一種奨学金で、300万円の貸与を受けたケースでは、完済までは17年、毎月の返還額は1万4705円です。
一方、利息付きの貸与型奨学金である第二種奨学金(貸与利率0.369%)で300万円の貸与を受けた場合も、第一種奨学金と同様、17年かかります。ただし第二種奨学金の毎月の返還額は、1万5200円と少し高くなるので、注意が必要です。
第一種奨学金も第二種奨学金も、23歳になる年から返還を行ったとすると、40歳でやっと完済できる計算となります。
ボーナスで繰上返還をしたほうがいいのか
繰上返還は、奨学金に対する返還額の全額、または一部を繰り上げて返還することです。通常の返還と同様に、現在登録している振替口座からの支払いとなります。
ボーナスでの繰上返還は、第二種奨学金を借りていて経済的余裕がある場合には、行っておくことをお勧めします。なぜなら、第二種奨学金を借りている方は、繰上返還を利用することで、利息を減らせるからです。奨学金を繰上返還することで、浮いたお金を他の支出に使うことができます。例えば、繰上返還で浮いた5万円を、住宅ローンの返済などに当てられる、などです。
早く返すほど第二種奨学金の利子は減っていくので、経済的余裕がある場合には、繰上返還を活用して早めに返してしまいましょう。ただし、出費が重なるイベントがあるときは、繰上返還を本当に行うべきなのか慎重に考えましょう。ボーナスの繰上返還で手元資金が減ってしまうと、必要な場面でお金が出せなくなってしまうリスクが高まります。
一方、第一種奨学金については、ボーナスで繰上返還を行っても、返還期間は短縮されますが、総返還額は変わらないことに注意が必要です。
繰上返還利用の際は、インターネットまたは郵送、FAXで申し込むことが可能です。インターネットは「スカラネット・パーソナル」というサービスを使います。基本的に、スカラネット・パーソナルが使えないときに、郵送やFAXで申し込むようにしましょう。
繰上返還は慎重に検討しよう
奨学金300万円を返し終えるまでには、17年といった長い年月がかかります。その中で、奨学金の繰上返還は、利子の負担を軽減してくれる大変便利な制度です。
ただし、この仕組みを利用すると、当然ですが手元に残るお金が減ってしまいます。利用する際は、結婚や出産などの出費がかさむイベントに影響が出ないか、確認しておきましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 繰上返還を希望する場合-2023年3月卒業者の繰上返還について-
独立行政法人日本学生支援機構 繰上返還申込み
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金貸与・返還シミュレーション
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー