4月から新社会人として働き始めた人は、自身がもらう給料をどのように管理していけばよいか、不安なことも多いでしょう。   職種や働いている地域によっても給与額はさまざまですが、全国的な平均を基に、新社会人のお金について本記事で解説します。   中でも、実家暮らしの社会人に関するお金事情について深堀りします。新社会人だけでなく、これから就職を考えている人も、ぜひ参考にしてみてください。

新社会人の初任給は貯蓄に充てたい人が半数近く

ソニー生命保険株式会社が2023年2月、社会人1年目および2年目の 20〜29歳の男女1000名を対象に行った「社会人1年目と2年目の意識調査2023」では、初任給の使い道として、まず貯蓄に充てたいと答えた人は半数近くにおよびました。なお、2位は生活費、3位は親への贈り物という回答が続いています。
 

社会人1年目の貯蓄額平均は約49万円でも昨年より10万円ほど減少

同調査によると、社会人1年目の貯蓄額平均は約49万円ということでした。これでも十分な金額のように感じますが、昨年の同調査結果による貯蓄額平均よりも10万円以上減少しています。
 
この背景として、昨年と今年の生活にかかったお金の変化も関連しているようです。生活にかかったお金としてもっとも多い「プライベートな付き合い・交際」が、昨年は約17万円だったのに対し、今年は約21万円となっています。また、身だしなみにかかる費用や自己投資の出費も昨年より増加しています。
 
昨年よりも生活にかかるお金が増えた要因の1つとして、新型コロナウイルス感染症対策の緩和が推察されます。友人や職場の人とのリアルな交流の場が戻りつつある中で、対人面に関する出費が増えたものと考えられます。
 

社会人1年目でかかったお金の2位は「実家に入れる」

同調査によると、社会人1年目でかかったお金の2位は「実家に入れる」で約14万円という結果でした。社会人1年目という点を考慮すると、まだお金の管理もスムーズに行かない中で、年間14万円も実家に入れるのは素晴らしいことです。
 
同調査結果では、年間総額のみ公表されているため、実際に毎月コンスタントに実家にお金を入れているかどうかまでは分かりません。そこで、ほかの調査結果も参考にし、社会人がいくらくらい実家にお金を入れているのか、さらに深堀りしてみましょう。
 

実家暮らしの社会人は毎月約4万円を家に入れている

保険マンモス株式会社が2022年3月、実家暮らしの社会人500名を対象に行った「実家暮らしの方へのアンケート(自社調べ)」によると、26%が実家にお金を入れていないという結果でした。
 
一方、実家にお金を入れていると答えた人の毎月の平均額は約4万円で、年間総額では48万円ほどになります。ただし、同調査の対象は、年齢問わず実家暮らしの社会人であるため、年齢が高く平均給与が大きい人も含まれています。
 
一般的には、年齢が低いほど年収も少ない傾向にあるため、関連して実家に入れるお金も少ない傾向にあります。年代別の実家に入れている平均額の調査結果は次の通りです。

・19歳以下…2万5663円
・20〜30歳…3万3623円
・31〜40歳…4万1875円
・41〜50歳…4万6970円
・51〜60歳…4万5000円
・60歳以上…17万5000円

これらの調査結果を基に複合的に考えると、年収や手取りに応じて、無理のない範囲で少しでも実家にお金を入れることが望ましいといえます。実際に、保険マンモス株式会社の調査では、最低金額として「毎月1000円」という回答もありました。
 
例えば毎月一定額を入れるのは無理でも、少なくともボーナス時期にはお金を入れるなど、家族と自身が協力して生活できるような、前向きな取り組みは必要ではないでしょうか。
 

まとめ

物価高が続いており、親の世代も子の世代も、金銭的に余裕がある人の方が少ないかもしれません。実家暮らしとはいえ、子も社会人になり収入がある状態では、可能な限り助け合って暮らしていくのがよいでしょう。
 
また、将来実家を出て1人暮らしをする際に、急激に支出のバランスを崩すことがないよう、実家暮らしの間も少しはお金を入れる習慣を付けておくと安心です。
 

出典

ソニー生命保険株式会社 社会人1年目と2年目の意識調査2023
保険マンモス株式会社 実家暮らしの方へのアンケート(自社調べ)(PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー