年収400万円は20代なら平均よりも高い
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、20代の男性の年収平均は約346万円、女性は約289万円、男女平均で320万円となっており、20代で年収400万円の人は平均よりも高い年収を得ているといえます。
近年は雇用環境も変わりつつありますが、日本では終身雇用制度・年功賃金を導入している企業もいまだ多く、また継続的に働きキャリアアップしていくことで、さらに年収も上がっていくことが期待できます。
なお現時点での平均年収は、男性は年代が上がるほど平均年収が増える一方、女性は年代が上がっても平均年収は大きく変わりません。女性は産休・育休の取得などライフステージの変化が大きいことによるものだと推察されますが、今後は女性のさらなる社会進出が進み、平均年収の差が縮まっていくと考えられます。
また同じ20代であっても、20代前半は男女平均年収が269万円で20代後半は同371万円と、前半と後半でも平均年収にかなりの差が出ています。20代前半は働き始めたばかりの人が多く、賞与を含む給与が少ないことから年収が低くなりやすいためです。20代後半になるにつれ昇給や昇進なども期待でき、年収は徐々に増えていくことでしょう。
業界別に見る平均年収はどれくらい?
前述の20代の平均年収は、業種を特定せずに世代全体で計算されています。働く業種によって平均年収は異なり、正社員が多いかパート・アルバイトが多いかなど、業界の雇用形態の特色によっても影響されます。
業種ごとの平均年収は、図表1を参考にしてみてください。
【図表1】
業種 | 平均年収 |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 766万円 |
金融業・保険業 | 677万円 |
情報通信業 | 624万円 |
学術研究・専門・技術サービス業 教育・学習支援業 |
521万円 |
製造業 | 516万円 |
建設業 | 511万円 |
複合サービス事業 | 494万円 |
不動産業・物品賃貸業 | 426万円 |
運輸業・郵便業 | 425万円 |
医療・福祉 | 407万円 |
卸売業・小売業 | 377万円 |
サービス業 | 369万円 |
農林水産・鉱業 | 310万円 |
宿泊業・飲食サービス | 260万円 |
全体平均 | 443万円 |
国税庁長官官房企画課 令和3年分民間給与実態統計調査を基に作成
図表1のとおり、インフラ関係や金融関係は平均年収が高い一方、全体平均の443万円を下回る業種も複数あります。若いうちから人よりも多くの年収を得たいと考えている場合、働く業種を意識することが大切です。
ただし高年収の業種は競争倍率も高くなる傾向にあるため、内定獲得の難易度も高いかもしれません。
平均年収が高い仕事は要求されるものも多い?
平均年収の高い仕事は、業務に従事するため高い専門性が求められたり、資格・検定の取得が必須であったり、業績ノルマが厳しかったりといったケースも少なくありません。目先の平均年収だけを見て判断するのではなく、労働環境や福利厚生についてもしっかりと確認しましょう。
まとめ
20代で年収400万円を稼いでいるなら、同年代の平均と比較して高収入といえるでしょう。
もしこれから多くの収入を得たいと考えているのであれば、業種によって平均年収が大きく左右されることも理解しておきましょう。
出典
国税庁長官官房企画課 令和3年分民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー