最低賃金はどう変わる?
2023年10月に最低賃金が改定されて、最低賃金の目安が、全国平均の1004円になります。
最低賃金値上げ後も、依然として、時給が900円未満にとどまる県はありますが、1000円を超える都府県数は、3から8に増加する形になります。
また、2019年(令和元年)以降の、主要な都道府県の最低賃金の推移は、表1のとおりです。
表1
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年(前年比) | |
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北海道 | 861円 | 861円 | 889円 | 920円 | 960円(+40円) |
宮城県 | 824円 | 825円 | 853円 | 883円 | 923円(+40円) |
東京都 | 1013円 | 1013円 | 1041円 | 1072円 | 1113円(+41円) |
愛知県 | 926円 | 927円 | 955円 | 986円 | 1027円(+41円) |
大阪府 | 964円 | 964円 | 992円 | 1023円 | 1064円(+41円) |
広島県 | 871円 | 871円 | 899円 | 930円 | 970円(+40円) |
愛媛県 | 790円 | 793円 | 821円 | 853円 | 897円(+44円) |
福岡県 | 841円 | 842円 | 870円 | 900円 | 941円(+41円) |
沖縄県 | 790円 | 792円 | 820円 | 853円 | 896円(+43円) |
※厚生労働省「平成14年度から令和3年度までの地域別最低賃金改定状況」「令和5年度地域別最低賃金 答申状況」をもとに筆者作成
今回の最低賃金の見直しにより、全都道府県で、時給が39〜47円上がり、平均で43円増になりました。
税金や控除の関係もありますが、1日8時間で週5日シフトに入った場合、単純計算で1ヶ月あたり6240〜7520円分収入が増える形です。
最低賃金改定の「副作用」に注意
最低賃金が改定されて大幅に上がることに関して、歓迎の声が多く聞かれます。
なかには、度重なる食品の値上げや、電気料金の負担増なども関係して「もっと賃上げしてもよいのではないか」という声もあるほどです。
しかし、会社側からは、人件費の負担増や、人件費の予算確保に対する懸念の声が上がっています。
人件費の負担増は、企業に大きな影響を与える要素です。
実はアメリカでは、最低賃金が上がった影響で「各従業員の勤務時間が削減されて、最低賃金は上がっても手取りが減った」「福利厚生を減らして、人材にかける費用負担を減らした」といった事例が確認されています。
くわえて、扶養内で働きたい方の場合、シフト数を調整するために、会社側と相談をしなければならない方も出てくるのではないでしょうか。
アルバイトやパートとして働く方の場合、勤務先の値上げ金額とともに、自身のシフト時間数にも注目しておく必要があるでしょう。
最低賃金アップに対する会社の対応に注目
2023年10月から、最低賃金が大幅に上がります。
それに伴って、そのまま収入が増える可能性もあれば、シフト数の調整が入り、手取りが減る可能性もあります。
自身の勤め先がどのように対応するのか、どのような影響が出るのかを、注視しておく必要があるでしょう。
出典
厚生労働省「平成14年度から令和3年度までの地域別最低賃金改定状況」
厚生労働省「令和5年度 地域別最低賃金 答申状況」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー