そもそも「旧札」とは何か?
日本銀行が発行する銀行券のことを、一般的に「お札」と呼んでいます。明治18年から現在までに、53種類のお札が発行されています。そのうち、現在も発行されているお札は4種類です。
・旧札とは
現在は発行されていないお札を旧札と呼びます。ただし、発行は終了したものの、現在も18種類の旧札が使用可能です。どのような旧札が使用できるかは、日本銀行のホームページ内の「その他有効な銀行券・貨幣」というコーナーで確認できます。
・お札の使用期限
お札は、法令に基づく特別な措置が発令されない限り使用できます。なお、法令に基づく特別な措置は、現在までに3度(昭和2年、昭和21年、昭和28年)発令されています。
古本にはさまっていた「旧札」はもらってもいい?
古本屋で買った古本にはさまっていた旧札は、遺失物(落とし物や忘れ物)に該当する可能性があります。そのため、はさまっていた旧札を勝手にもらうのは避けたほうがいいでしょう。
・遺失物に関する法律と罰則
遺失物法第4条には、「拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない」と規定されています。遺失物を所有者へ返還したり警察署長へ届け出たりせずに自分のものにした場合は、刑法の「遺失物等横領」に問われる可能性があります。「遺失物等横領」の罰則は、「一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料」です。
古本に「旧札」がはさまっていた場合の対応策
古本屋で買った古本に旧札がはさまっていた場合は遺失物法にのっとって所有者に返すか、警察署や交番に届け出る必要があります。ただ、所有者を自分で探し出すのは困難な場合が多いため、警察へ届け出るのが一般的な対応策です。
・遺失物を警察に届け出るとどうなる?
警察に届出後3ヶ月が経過しても所有者が現れない場合には、遺失物の所有権は拾得者に移動します。所有者が現れた場合には、遺失物が有する価値の5〜20%の間でお礼を受け取る権利が発生します。ただし、駅やデパートなどの施設内で拾った場合は当該施設との間で折半(2.5〜10%)しなければいけません。そのため、古本屋で買った古本に旧札がはさまっていた場合は、当該書店との折半になる可能性があります。なお、遺失物を拾った日から7日以内(管理者が存在する場所の場合は24時間以内)に届け出なければ、いずれの権利も消滅します。
取りあえず24時間以内に警察に届け出よう
古本屋で買った古本に旧札がはさまっていた場合には警察に届け出る必要があります。勝手にもらってしまうと、刑法の「遺失物等横領」に問われる可能性があるため注意が必要です。警察に届け出た場合、所有者が現れなければ拾得者のものになります。所有者が現れた場合には、旧札の価値の5〜20%のお礼がもらえます(書店との折半の可能性あり)。いずれにしても、古本屋で買った古本に旧札がはさまっていた場合は、取りあえず24時間以内に警察に届け出ておくと安心です。
出典
e-Gov法令検索 遺失物法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー