退職金制度を採用している企業はどれくらい?
人事院による「令和3年度年次報告書」では、退職金を給付している企業の調査結果が公表されています。
調査によると、50人以上の規模の企業から無作為に選ばれて、企業規模などが適切だった3677社のうち、退職金制度を採用しているのは、92.3%でした。
多くの企業が、制度を採用していることが分かります。
退職金制度が途中から導入されたら勤続年数のカウントはどうなる?
個人事業時代から働いていて、法人になったあとから、退職金制度が導入された場合、勤続年数のカウント方法は、会社の規定によって異なります。
また、一般の従業員ではなく、事業主の親族かどうかでも違いますので、注意が必要です。
規定されていれば個人事業時代からカウントされる
法人になる前から勤務していた人が、退職金を何年分もらえるのかは、規定により異なるため、チェックしておきましょう。
国税庁によると、法人になったときに退職金制度を新設した場合、勤続年数のカウント方法には2パターンあります。
まずは、規定によって、個人事業時代から計算するとされているパターン。
会社でこのように規定されている場合は、原則として、個人事業時代から働いた年数も含めて計算できます。
一方、規定に、法人になったときからと記載されていた場合は、法人を設立した日からの計算となりますので、それより前の年数は含まれません。
例えば、個人事業時代に22歳から15年勤続していて、定年が65歳だとすると、実際の勤続年数は43年ですが、定年時にもらえる退職金は、28年勤続したとして計算されます。
青色事業専従者は法人になってからのカウント
青色事業専従者は、青色申告で事業を行っている人のパートナーや親族が、一定の条件を満たしたうえで、給与を受け取っている場合を指します。
いわゆる、家族従業者のことです。
国税庁によると、青色事業専従者が、事業が法人となったあとも勤務していた場合、勤続年数は、あくまで法人を設立した日からとされています。
そのため、退職金の計算をするときに、個人事業のときの勤続年数は計算されません。
退職金は何年分もらえるのか理解しておこう
個人事業当時から働いており、途中から退職金制度が導入された場合は、会社によって、年数のカウント方法は異なります。
個人事業時代を含まないケースがあることを知らずにいると、いざ退職金をもらったときに、当てが外れることにもなりかねません。
認識の相違によるトラブルを防ぐためにも、勤続年数をどこからカウントするのか、規定を把握しておくことをおすすめします。
規定を読んでも分からない場合は、事業主や上司に確認しておきましょう。
出典
人事院 令和3年度年次報告書 第1編 人事行政 第1部 人事行政この1年の主な動き 第5章 適正な公務員給与の確保等 3 官民の退職給付
国税庁 「個人事業当時の期間を通算して退職給与を支給する場合の勤続年数」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー