新しいNISAではつみたてNISA・NISAの口座の区別がなくなる
まず確認しておきたいのは、新しいNISA制度(以降、新NISA)ではこれまでのような、つみたてNISA・NISAの口座の区別がなくなる点です。2つの制度はNISAとして一本化され、従来のつみたてNISAに当たる「つみたて投資枠」とNISAに当たる「成長投資枠」を、投資枠内で併用できるようになります。
新NISA開始のタイミングで、つみたてNISAの金融機関を変更する場合、変更先の金融機関で2024年以降に開設される口座は「NISA口座」となるため、混乱しないようにしましょう。
新NISAが始まるタイミングでつみたてNISAの金融機関を変更する方法
新NISAが始まるタイミングで金融機関を変更する方法は、つみたてNISAの取り引きの有無によって大きく異なります。それぞれの方法は、変更前後の金融機関が銀行か証券会社か、規模(大手/地方)、業態(一般/ネット専業)などにかかわらず、おおよそ同じです。
以下に、2023年につみたてNISAの取り引きがある場合とない場合に分けて、一般的な手続きの方法を紹介します。
2023年につみたてNISAの取引がある場合
2023年中に現在の金融機関でつみたてNISAの取引がある場合、2024年の新NISAスタートに合わせた金融機関の変更を申し込めるのは、2023年10月1日以降です。
これより前に手続きをしておくと、2024年1月1日以降に新NISAの口座が開設されます。
2023年につみたてNISAの取り引きがない場合
2023年に現在の金融機関でつみたてNISAの取り引きがない場合は、おおむね2023年の9月30日までに、現行のつみたてNISAの金融機関の変更手続きをしておくと、新NISA開始時に自動的に新NISA口座が開設されます。
また、2023年中に取り引きがある場合と同様に、現行のつみたてNISAの口座は現在の金融機関に保持しつつ、10月1日以降に2024年からの金融機関変更を申し込むことも可能です。
つみたてNISAの金融機関変更手続きの流れ
つみたてNISAの一般的な金融機関変更の流れは次のとおりです。
1.現在のつみたてNISA口座がある金融機関から「金融商品取引業者等変更届出書」を取り寄せる
2.金融商品取引業者等変更届出書に必要事項を記入して返送し「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
3.変更先の金融機関に投資信託口座(証券会社の場合は証券総合口座)を開設する(口座を所持していない場合)
4.変更先の金融機関にNISA口座申込書と勘定廃止通知書、本人確認を提出する
5.税務審査ののち変更先の金融機関にNISA口座が開設される
細かい手順は金融機関によって異なる可能性があるため、事前に確認のうえで手続きを進めましょう。
つみたてNISAの金融機関変更時の注意点
注意する点はこのようになります
・保有商品の移動はできない
・旧口座での買い付けはできない
・変更手続きに数週間程度かかる
新NISAスタート時に合わせて口座変更する場合も、2023年中に現行のつみたてNISA口座を移動しておく場合も、保有商品は新NISAの口座に移動できません。
前者の場合は変更前の金融機関、後者の場合は変更後の旧つみたてNISA口座で、2023年までの保有商品を管理することになります。旧口座での新たな買い付けもできません。
また、口座変更手続きには数週間程度時間を要します。2024年1月1日の新NISAスタート時には新口座を使えるようにしたい場合は、期間に余裕をもって手続きを行いましょう。
新しいNISAスタート時の口座変更は2023年中に申し込みを
新NISAスタートに合わせて金融機関を変更したい場合、2023年10月から新NISA口座の申し込み受付が始まります。変更手続きが完了するまで数週間かかるため、2024年1月1日に間に合わせたい場合は、受け付けが開始されたらすぐに申し込むと安心です。
手続きの流れを確認して、スムーズに手続きできるよう準備しましょう。
出典
金融庁 新しいNISA
金融庁 つみたてNISAの概要
特定非営利活動法人 確定捻出年金教育協会 つみたてNISAナビ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー