転職して収入アップできた人の割合は?
厚生労働省により公表された「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職して収入が上がった方は、男性平均37.5%、女性平均41%となっています。
雇用形態別にみると、正社員へ転職した方で41.1%、正社員以外に転職した方で32.3%が、収入を増やしています。
また転職先の規模でいえば、転職前以上の収入を得られるようになった方の割合がもっとも多いのは、5〜29人規模の企業へ転職したケースでした。(表1)
表1
※黄色の箇所は企業規模ごとの割合のもっとも高い箇所
※厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況 個人調査 1 直前の勤め先及び現在の勤め先の状況」を基に筆者作成
しかし、上記の情報だけでは、自分が転職する場合はどうなるのかが、イメージしにくいのではないでしょうか。
そこで、より詳細な情報として、年代別・増加率ごとの割合を、表2にまとめました。
表2
※オレンジ色の箇所は増加割合のもっとも高かった箇所、青色の箇所は減少割合のもっとも高かった箇所
※厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況 個人調査 1 直前の勤め先及び現在の勤め先の状況」を基に筆者作成
20〜44歳では、収入アップした方の割合が、それぞれで合計40%を超えています。
その一方で、10代では、転職による収入の変化が、二極化していることが特徴的です。
自身の年代における収入の変化を確認して、転職すべきかどうかを判断する一つの基準として、覚えておくとよいでしょう。
収入を理由に転職する人って多いの?
収入を理由の一つに挙げて転職する方の割合は、4人に1人に届きません。
厚生労働省が公表した「令和2年 転職者実態調査の概況 2 離職理由」によると、自己都合による離職理由のうち、とくに多かった理由は、下記の5点です。
●労働条件(賃金以外)がよくなかったから:28.2%
●満足のいく仕事内容でなかったから:26%
●賃金が低かったから:23.8%
●会社の将来に不安を感じたから:23.3%
●人間関係がうまくいかなかったから:23%
ここから、収入だけではなく、労働条件・仕事内容・人間関係など、複合的な要因で転職に踏み切る方が多いことが、推測できるといえるでしょう。
また年代でいえば、25〜29歳の転職者の31.3%が「賃金の低さ」を転職の理由の一つとして挙げており、もっとも高い割合を占めています。
以降、順に45〜49歳(26.1%)、30〜34歳(25.5%)、55〜59歳(25.3%)と、続いています。
転職で収入アップは可能! ただし減収にも注意
収入の少なさを理由の一つとして挙げて、転職に踏み切る方は多くいらっしゃいます。
ただし、表にあったとおり、場合によっては大幅な減収になるケースもあります。
今回ご紹介した収入の変化は、判断に役立つ情報のうちの一つにすぎません。
職場環境や福利厚生、仕事内容なども加味して、慎重に決断しましょう。
出典
厚生労働省 令和2年「転職者実態調査の概況」 個人調査 1 直前の勤め先及び現在の勤め先の状況
厚生労働省 令和2年「転職者実態調査の概況」 個人調査 2 離職理由
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー