会社員が加入する年金は「国民年金」と「厚生年金」
会社員が加入する年金は2つで、「国民年金」と「厚生年金」です。会社員の場合、給与から引かれる厚生年金保険料に国民年金も含まれます。そして、基本的には65歳以降に老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取れます。
年収400万円の会社員が支払う生涯の年金保険料
年金保険料は20歳から60歳まで支払わなくてはなりません。今回は、4年制大学に通った後に卒業、すぐに就職し、60歳まで働いた場合を想定していきます。なお計算を簡易にするため、年収は400万円(ボーナスなし)で60歳まで変動なし、支払う保険料や年金支給額などは令和5年度を基準にしています。
まず、20〜22歳までの2年間は国民年金に加入します。国民年金の保険料は令和5年度では1ヶ月当たり1万6520円と決まっていますので、2年間(24月)では39万6480円です。
続いて、22〜60歳までの会社員時代を見ていきます。会社員は厚生年金保険料(国民年金保険料含む)も支払う必要があります。厚生年金保険料は収入によって異なりますが、年収が400万円の場合に自身で負担する金額は毎月3万1110円です。
月々3万1110円の支払いを38年間(456月)続けると、支払う保険料の合計は1418万6160円です。22歳までに39万6480円、以降60歳までに1418万6160円支払いますので、生涯で1458万2640円負担することになります。
65歳以降に毎年受け取れる年金の金額
会社員は、65歳以降に老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取れます。老齢基礎年金は支払った期間に応じて支給されますが、今回のケースにおける年金額は満額の年間79万5000円です。
老齢厚生年金の受給額の大半は報酬比例部分と呼ばれるものですので、今回は報酬比例部分だけ見ていきます。報酬比例部分は加入期間と支払った保険料によって変わります。
具体的には、現役時代の収入によって設定される標準報酬月額の平均や加入期間に、所定の係数をかけて求められ、計算式としては次のとおりです。
報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数
今回の場合、標準報酬月額は34万円、加入月数は456月ですので、計算すると年額で84万9774円です。基礎年金と合わせると、164万4774円が毎年受け取れます。
年収400万円の会社員は74歳まで生きれば得をする!
60歳までに支払った保険料の総額である1458万2640円を、65歳以降毎年受け取れる年金額の164万4774円で割ると、8.86です。そのため、9年以上、つまり74歳よりも長生きできれば支払った保険料以上に年金を受け取れるということです。
厚生労働省が発表している令和4年度の平均寿命は、男性が81.05歳、女性が87.09歳です。平均寿命まで生きられれば、支払った保険料よりもかなり多くの年金を受け取れると言えるでしょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー