「社会保障給付費」とは?
「社会保障給付費」は、以下の3分野に分けられ、保険料と公費を財源としています。
●医療
●年金
●福祉その他
「福祉その他」には、介護・生活保護などが該当します。
社会保障給付費のうち、最も多くの割合を占めているのが「年金(全体の44.8%)」です。高齢化社会の進展にともない、社会保障給付費は、年々増加傾向にあります。そのなかでも「年金」は、老後の生活を支える大きな柱になる部分です。
65歳以上の世帯における収支
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における社会保障給付費の平均値は、22万418円とのデータが出ました。そのほかの収入と合わせると、実収入は24万6237円と予測されます。
対して支出は、消費支出と非消費支出(税金や社会保険料など)を合計すると、26万8508円となります。
社会保障給付費だけで老後の生活費はまかなえるのか
総務省統計局「家計調査」のデータを参照して、不足分をみてみましょう。
実収入の24万6237円から、支出の26万8508円を差し引くと、2万2271円が不足分となります。年金以外の収入がまったくないケースであれば、不足分は4万8090円となり、その分、負担が大きくなってしまうでしょう。
月に約4万8090円不足するとなると、年間では57万7080円、仮に65歳〜90歳までの25年間で計算すると1443万円ほど必要になります。予想される支出のほかにも、医療費や介護費などの費用が追加される可能性を考えると、さらに負担は大きくなるでしょう。
年金は、人によってもらえる額が異なりますし、家庭のライフスタイルによって、支出も大きく変動することが考えられます。不足分はあくまで目安ですが、足りない分は、自分たちの貯蓄でまかなわなければなりません。余裕のある老後資金が必要と、いえるでしょう。
老後のお金に困らないためには早めに資金を準備しよう
今回の結果により、社会保障給付費である年金だけでは、老後の生活をまかなうのは難しいことが明らかとなりました。人それぞれで収支は異なりますが、年金不足が問題となっているいま、自分たちで、老後の資金を用意しておくに越したことはありません。
早めに老後資金の準備を始めることで、将来のお金の不安軽減につながるでしょう。
出典
厚生労働省 給付と負担について
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 2022年(令和4年)家計の概要(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー