年収は低いよりも高いほうがよいと考えるのは当然でしょう。しかし、業界や職業により、年収の相場は異なります。若い世代が年収1000万円以上を目指すのであれば、平均給与の高い職業への就職・転職が1つの方法となるでしょう。   今回は、年収が1000万円を超える職業のほか、年収1000万円以上の人の割り合いや、年収1000万円を目指すための方法を紹介します。

年収が1000万円を超えている人の割り合い

日本の給与所得者の状況については、国税庁による「民間給与実態統計調査 」をみることで、かねがね把握が可能です。令和3年分の同調査結果によると、全体の平均給与は443万円でした。年収が1000万円を超える人の割合は、4.9%となっています。給与を受けとっている人のうち、20人に1人程度が年収1000万円を超えていることになります。
 

年収が1000万円を超える職業例

つづいて、厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」で、年収1000万円を超える可能性のある職業をみていきましょう。
 
令和3年の同調査結果をみると、まず「医師」が挙げられます。医師の平均給与は1ヶ月あたり105万円ほどです。月収のみで年収は1000万円を超えますが、ボーナスなどでさらに約117万円ほどを受けとっています。多くの人のイメージ通り、医師は収入の高い職業の一つとなっています。「航空機操縦士」も、高収入のイメージを持つ人の多い職業でしょう。
 
同調査結果によると、1ヶ月あたりの平均給与は約81万円、ボーナスなどは約90万円です。平均のデータでも、やはり年収1000万円を超えています。
 
学校で生徒への教育や指導を行う立場の人では、「大学教授(高専含む)」がもっとも多くの給与を受け取っており、平均年収は1000万円を超えています。1ヶ月あたりの平均給与は65万円ほどですが、ボーナスなどで約285万円受け取っています。
 
専門的な知識や実務経験を持ち、財務会計や人事労務に関連したコンサルティングや指導、助言を行う「経営・金融・保険専門職業従事者」も、多くの収入を得ています。同調査結果によると、1ヶ月あたりの平均給与は64万円ほどですが、大学教授と同様、ボーナスが258万円ほどと高いため、平均では年収1000万円を超えます。
 
裁判官や弁護士などの法務従事者の1ヶ月あたりの平均給与は、約64万円です。ボーナスなどの平均は174万円のため、一般的には1000万円には届きませんが、年齢やキャリアによっては1000万円を超える収入が得られる職業といえるでしょう。
 

年収1000万円を目指すための方法

紹介した年収が1000万円を超える職業は、いずれも特別な資格や知識、技術を必要とします。それらの職業に転職したくても、多くの人は非常に難しいでしょう。それでも年収1000万円を目指せないわけではありません。ここでは、年収1000万円を目指すための方法を紹介します。
 

副業を始める

給与額は1000万円を下回っていても、副業で収入を増やし、合計で年収1000万円を目指すことは不可能ではないでしょう。一般的なアルバイトや日雇い労働では困難ですが、IT技術などを活用し、副業で本業を上回る収入を得ている人は少なくありません。空いた時間を活用し、副業にチャレンジしてみる価値は大いにあります。
 

独立する

給与所得者だけでみれば、年収1000万円を超えているのは全体の5%程度です。しかし、フリーランスで働く人の中には、より多くの収入を得ている人もいます。
 
独立すると、給与ではなく歩合制や成功報酬などの形で収入を得るケースが大半です。選んだ仕事と頑張り次第では年収1000万円も夢ではありません。ただしリスクもあるでしょう。
 

年収が1000万円を超える人は少数だが可能性はゼロではない

年収が1000万円を超える人は、給与所得者全体でみれば5%ほどにすぎません。医師や航空機操縦士、大学教授や法務従事者など、多くの人が高収入とイメージする職業の人は、平均でも年収が1000万円程度か、それを超えています。
 
他の職業に従事する人は、年収1000万円を超えるのは不可能かといえば、そうとも限りません。副業を始めたり、独立してフリーランスになったりすることで、年収1000万円を超えられる可能性はあるでしょう。
 

出典

国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査−調査結果報告−
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査
e-Stat 詳細情報
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー