給料の受取方法が銀行口座振込でも手渡しでも、税金を納める必要があります。前提として、給料を手渡しでもらったとしても法律上は問題ありません。   しかし、銀行振込がメジャーな給料の支払方法であるのも確かなので、手渡しだと「脱税にならないか不安」と感じるのも無理はありません。「給料を手渡しでもらっている」という知人がいると、本当に納税できているのか、脱税にならないか気になるでしょう。   本記事では、給料を手渡しでもらうことによる問題点や、脱税がバレてしまう理由について解説します。

給料の手渡しは法律上問題なし

労働基準法第24条では「賃金の直接払」が定められているため、原則として給料は直接手渡すのがルールです。
 
源泉徴収したうえで給料を手渡ししている場合は何ら問題もありませんが、源泉徴収せずに手渡しで給料を渡すと、脱税につながる恐れがあります。
 
給料の受取方法が銀行口座振込・手渡しのどちらでも、給与所得が100万円を超えたら住民税(自治体によって差がある)が、年間103万円を超えたら所得税を納めなければなりません。
 
もし給与収入が年間103万円を超えており、源泉徴収されずに給料が手渡しされたら、翌年の2月16日から3月15日にかけて確定申告する必要があります。
 
「金融機関を介していないから確定申告しなくてもバレない」と考える人もいますが、もし確定申告をしないと税務署にバレます。勤務先は「給与支払報告書」を作成し、給与を払った金額について、自治体に提出しなければならないためです。
 
また、給与ではなく個人事業主として「報酬」をもらう場合でも、請負先が報酬の支払状況を示す「支払調書」を提出しなければなりません。
 
他にも、マイナンバー制度の導入に伴って「誰に、いくら給与を支払ったか」が、税務署が容易に把握できるようになりました。これらの理由により、もし確定申告と納税が必要であるにもかかわらず確定申告しないと、税務署から追及されてしまうでしょう。
 

手渡し給料のメリット・デメリット

給料を銀行口座入金ではなく、手渡しで受け取ることによるメリット・デメリットがあります。
 

【メリット】

・すぐに現金を手にすることができる
・事業主は口座振込手数料を節約できる
・「稼いだ」という実感を得やすい

 

【デメリット】

・給料日に多額の現金を持ち歩くことになる
・銀行口座に記録が残らない
・事業主が源泉徴収していない場合は、自分で確定申告する必要がある

 
給料を手渡しでもらうと、給料日に現金を手にできます。昭和のサラリーマンでよくある風景ですが、「働いて稼いだ」という実感を得られる心理的なメリットもあるでしょう。
 
ただし先述したように、手渡しで受け取った給料に関しても、適切に税金を申告し・納付しなければなりません。きちんと確定申告を行わないと、税務署から厳しい追及を受ける可能性がある点には留意しましょう。
 

まとめ

もし知人で「給料を手渡しでもらっている」という人がいると、きちんと税金を納めているのか気になってしまうこともあります。
 
しかし、結論としては給料の手渡しが脱税につながることはありません。事業主が作成・提出する給与支払報告書や、マイナンバーを通じて個人が給料を得ている旨を把握できるためです。
 
このように、給料や報酬の手渡しは、税金の観点から特に問題がない点は知っておきましょう。
 

出典

厚生労働省 賃金関係
国税庁 家族と税
国税庁 令和4年分確定申告特集
国税庁 所得税の確定申告
国税庁 No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー