定時時間に仕事が終わらないためやむを得ず残業をした際に、15分単位や30分単位でしか残業代が支払われない場合があります。このような場合には1分単位で残業代を請求したいところですが難しいのでしょうか? また、こういった支払い方は法律違反でないのか気になるところです。   そこで本記事では、残業代を1分単位で支払わないことは法律違反ではないのかについて解説していきます。

賃金支払いの4つの原則

賃金の支払いについては労働基準法で決まりがあり、4つの原則として定められています。
 
「通貨払いの原則」、「直接払いの原則」、「毎月1回以上定期払いの原則」、「全額払いの原則」の4つです。これらの原則は労働基準法第24条の「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」という文言から導き出されています。
 
その中で本事例に関わりがあるのは「全額払いの原則」です。全額払いの原則は、労働時間に即して全額残らずに支払うというものです。
 
15分単位や30分単位でしか残業代が支払われていない場合は、支払われるべき賃金が支払われていない状態と言えます。そのため、残業代について1分単位で支払われていない場合は全額払いの原則に反している状態です。本事例では、1分単位で残業代を請求できると言えるでしょう。
 

法定労働時間を超えている場合の残業代

残業が法定労働時間を超えている場合は割り増しされた賃金を請求可能です。
 
法定労働時間は法律で定められている1日8時間、週40時間となっています。法定労働時間を超えて労働する時間外労働の場合は、25%の割増率で残業代が計算されます。なお、時間外労働が1ヶ月で60時間を超えると割増率は50%になります。このような割増率で計算された残業代が1分単位で支払われます。
 

1ヶ月単位であれば30分未満が切り捨てられることも

労働時間の端数を切り捨てることはできませんが、切り上げることは認められています。具体的には15分単位で労働時間を切り捨てることは認められていませんが、15分単位を切り上げて30分にすることは可能です。
 
もっとも、労働者の不利になるものではなく、事務処理を簡素化するための労働時間の端数処理は認められています。例えば、1ヶ月間の総労働時間(時間外労働、深夜労働、休日労働も含む)に1時間未満の端数がある場合は、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げることは可能です。
 
残業手当は手取りに関わってくるものなので、労働時間の端数処理がどのようなものになっているか、会社の就業規則を確認することをおすすめします。
 

給料明細を確認し、残業手当がしっかりと支払われているかを確認しましょう

本記事では、残業代を1分単位で支払わないことは法律違反ではないのかについて解説してきました。原則として、1分単位で残業代が支払われない場合は労働基準法違反となります。そのため、15分単位や30分単位で残業代が支払われることは認められないので、1分単位で残業代を請求可能です。
 
残業手当は手取りの給与にも大きく影響することなので、給料明細をしっかりと確認することをおすすめします。就業規則で15分単位や30分単位でしか残業代が支払われないとされている場合は、労働基準監督署に相談することも考えましょう。
 

出典

厚生労働省 労働条件・職場環境に関するルール
厚生労働省東京労働局 しっかりマスター労働基準法 割増賃金編
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー