働き方の多様化が進む今の時代、契約社員や派遣社員のように非正規雇用という雇用形態を選択する人が増えています。   非正規雇用として働く場合、働く場所や時間を選びやすいことや、プライベートの時間を確保しやすいことなどのメリットがあります。しかし収入面においては、正社員に比べて、まだ安定しにくいところがデメリットです。   本記事では、契約社員と正社員の給与・ボーナスの金額差について、差が出る理由とともに紹介します。   また、働き方改革の一つとして進められている「同一労働同一賃金」の取り組みについても解説します。

正社員と契約社員の給与とボーナスにはどのくらいの金額差があるのか?

厚生労働省が公表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、正社員の平均月収は、男女計で32万8000円(男性35万3600円、女性27万6400円)であることに対し、正社員以外の平均月収は、男女計で22万1300円(男性24万7500円、女性19万8900円)とのことです。
 
また、正社員と正社員以外における平均賞与の金額を、表1にまとめました。
 
表1
 

正社員
(雇用期間の定め無し)
正社員以外
(雇用期間の定め有り)
企業規模10人以上 102万500円 24万3000円
企業規模1000人以上 146万4900円 26万6100円
企業規模100〜999人 97万6600円 23万3000円
企業規模10〜99人 63万7400円 21万3700円

 
※厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
 
ただし、契約社員にボーナスを支給するかどうかは会社の判断によるため、ボーナスが出ないケースも少なくありません。
 

正社員と契約社員の待遇に差が出る理由は?

正社員と契約社員の大きな違いは、雇用期間に定めがあるかどうかです。契約社員の雇用期間は労働基準法で「最長3年」と決められており、企業の多くは1年ごとに、契約を更新するか終了するかを判断します。
 
一方で正社員は、基本的に定年まで働き続けることが可能です。
 
仕事内容についても、契約社員は契約時に業務範囲についてあらかじめ決められるため、自分が担当するべき業務内容が明確になっています。
 
契約範囲外の仕事についてはほぼ責任を負う必要がなく、ストレスを感じにくいことはメリットの一つといえるでしょう。
 
企業側にとっても、給与やボーナスの支払いが少なくて済む契約社員を雇うことで、人件費を抑えられるというメリットがあります。
 
これらの事情が、給与やボーナスなどの面で、正社員と契約社員の間に差が生じる理由です。
 

待遇差を解消する「同一労働同一賃金」とは?

契約社員を含む非正規社員と正社員の待遇差を解消するために、「同一労働同一賃金」の取り組みが進められています。実際に厚生労働省は、原則となる考え方と具体例を示した企業向けのガイドラインを公表しています。
 
例えば基本給については、「労働者の能力・経験・業績・成果・勤続年数に応じて支払う必要があり、非正規社員と正社員で基準が異なる場合は、きちんと説明しなければならない」としています。
 
また、ボーナスについても「労働者の会社への貢献に応じて支給されなければならず、同じ貢献をした者には、非正規社員・正社員を問わず同じように支払う必要がある」という内容です。
 

契約社員と正社員の違いを確認しておこう

同じ仕事内容でも、契約社員にはボーナスが出ないにもかかわらず、正社員は月給3ヶ月分のボーナスが出るといったケースは珍しくありません。
 
企業が契約社員を雇用する目的の一つは人件費を抑えることなので、契約社員にボーナスが支給されたとしても、正社員より少ない額であることも多いでしょう。
 
しかし、現在は「同じ労働に対して同じ賃金を支払うべき」という考えのもとで「同一労働同一賃金」の取り組みが進められているため、今後は少しずつ改善していく可能性があるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 結果の概要 雇用形態別 (6)雇用形態別にみた賃金

令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別 1.雇用形態、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
正社員・正職員のうち、雇用期間の定め無し
正社員・正職員以外のうち、雇用期間の定め有り

厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン

厚生労働省 さまざまな雇用形態

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー