会社によって就業規則が異なるため、転職して「これはおかしいのでは?」と思うようなこともあるでしょう。   例えば「始業20分前には職場に来て掃除をする」という決まりがある場合、その時間は労働時間に含まれないのでしょうか。   もし労働時間に含まれるとすれば、掃除にかかった20分間分の給与が追加で支払われなければなりません。   本記事では、始業前の掃除が労働時間に含まれるのかどうかについて、労働時間の定義とともにご紹介します。

労働時間の定義とは?

厚生労働省によると、労働基準法が定める労働時間は原則として「一日に8時間、1週間に40時間以内」とされています。
 
休憩時間についての定めもあり、使用者は労働者に対して「労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上」の休憩を与えなければなりません。
 
もし、その範囲を超えて働かせる場合は、使用者はその分の残業代を労働者に支払う必要があります。
 
ここでの「労働時間」とは、明示・黙示を問わず「使用者の指揮命令下にある」と判断される時間のことです。具体的には、「実際に作業している、会議に参加している時間」以外にも、「作業前の準備や片付けをしている時間」や「更衣することが義務付けられている作業着などに着替えている時間」なども含まれます。
 
始業前の掃除や昼休み中の電話番なども、会社からの指示があった場合は「労働時間」に該当します。
 
そして労働時間に該当する場合は、給与の支払いが発生します。
 

労働時間とみなされないケースは?

会社からの指示ではなく、あくまで自発的な行為であった場合は、労働時間とはみなされません。
 
自分の意思で朝早めに出勤して自分のデスク周りを掃除する時間や、強制ではない研修に参加している時間などは、給与の支払い対象にはなりません。
 
また、通勤時間や出張先への移動時間についても、労働者が自由に活動できる状態であれば、労働時間とはみなされません。
 
ただし、会社からの明確な指示がなくても、朝の掃除が当番制になっている場合や、掃除に参加しなければ評価に影響する場合などは、事実上強制であると判断されて、労働時間として認められるケースもあります。
 

指示されて行う始業前の掃除は給与対象になる

労働基準法により、労働者が一日に労働できる時間は決められているため、それを超える場合は残業代を支払う必要があります。
 
労働時間に該当するのかそうでないかの判断が難しいケースについては、会社からの指示による行為かどうかを考えてみましょう。
 
特に指示をされていなくても、会社の慣習として暗黙の了解で行われている場合であれば、労働時間として認められる可能性があります。
 
掃除をしている時間分の給与を会社に請求できる可能性があるため、疑問に感じた場合は相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省 労働時間・休日 労働時間・休日に関する主な制度

厚生労働省 労働条件に関する総合サイト 確かめよう労働条件 「社会人として働き始めてからの労働法」第2章 テーマ(5) 労働時間

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー