年金生活を送っている夫婦にとって、配偶者が亡くなったあとに受け取れる年金がどうなるのか気になる人もいるのではないでしょうか。 夫婦のどちらか一方が亡くなった場合、遺族年金が支給されたとしても、世帯として受け取る年金は減ってしまいます。   本記事では、夫が元会社員で妻が専業主婦の世帯をモデルケースとして、具体的にいくらになるのかを解説しています。

遺族年金は2種類ある

夫婦のどちらか一方が亡くなった場合、受給要件を満たせば遺族年金が遺されたほうに支給されます。遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類がありますが、基本的に遺族基礎年金を受給できるのは亡くなった人に生計を維持されている子どもがいることが条件です。
 
本記事では、生計を維持する子はいない夫婦とし、遺族基礎年金の受給はなしとします。
 

今回のシミュレーションの前提

具体的に見ていく前に、今回のシミュレーションの前提を決めていきましょう。今回は夫が元会社員で80歳、妻が専業主婦で75歳、生計を維持している子はいないものとします。また、夫と妻が受け取っている毎月の年金額は次のとおりとします。

(1)夫の分の老齢基礎年金:6万6000円
(2)夫の分の老齢厚生年金:11万8000円
(3)妻の分の老齢基礎年金:6万6000円
(4)世帯年金額=(1)+(2)+(3)=25万円

 

夫が亡くなった場合

上記前提において、夫が亡くなった場合の世帯としての年金額はいくらになるのでしょうか。
 
夫が亡くなったあとも、妻は自身の老齢基礎年金はそのまま受給できます。ただし夫は亡くなっていますので、夫の老齢基礎年金と老齢厚生年金は受け取れません。しかし、妻は遺族厚生年金として、夫が生前に受け取っていた老齢厚生年金の4分の3の金額を受け取ることができます。
つまり、夫が亡くなったあとに妻が受け取る毎月の年金額は次のとおりです。

(1)夫の分の遺族厚生年金:8万8500円
(2)妻の分の老齢基礎年金:6万6000円
(3)世帯としての年金額=(1)+(2)=15万4500円

夫が死亡する前には世帯として毎月25万円受け取れていたのが、死亡後は15万4500円ですので、世帯としての年金額は9万円以上減り、死亡前の62%程度になるということです。
 

妻が亡くなった場合

妻が亡くなった後も、夫は自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金はそのまま受給できます。しかし、妻の老齢基礎年金は受け取れず、代わりに受け取れる遺族年金もありません。
つまり、妻が亡くなった後に夫が受け取る毎月の年金額は次のとおりです。

(1)夫の分の老齢基礎年金:6万6000円
(2)夫の分の老齢厚生年金:11万8000円
(3)世帯年金額=(1)+(2)=18万4000円

夫が死亡した場合と同様に計算すると、世帯としての年金額は6万円以上減り、妻死亡前の74%程度です。
 

まとめ

今回のように、夫が元会社員で妻が専業主婦の場合、妻が亡くなるよりも夫が亡くなった場合の方が、遺された側の世帯収入は少なくなります。そのため、先に夫が亡くなったほうが生活は苦しくなる可能性が高いと言えます。
 
人がいつ亡くなるのかは誰にも分かりませんが、可能な限り遺された側が苦労しないよう、普段から夫婦で話し合っておきましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー