派遣社員として働いていて、職場の冷蔵庫を使えるのは「正社員のみ」というルールがあったら、違法ではないのかと納得できない人もいるのではないでしょうか。また、契約社員との待遇の差を感じる場合もあるかもしれません。   本記事ではそのような人に向けて、派遣社員の定義をはじめ、正社員や契約社員と派遣社員の扱いの違い、その違法性などについて解説します。

派遣社員とは

派遣社員は、勤めている会社と直接雇用契約を結ぶのではなく、人材派遣会社と雇用契約を結んでいる点が特徴です。業務に関する指示は派遣先の会社から受けますが、給与や福利厚生は派遣会社との契約内容に基づきます。派遣社員として人材派遣会社に登録しておくと、就業先の紹介をはじめ、就業中のサポートや就業先との交渉などを人材派遣会社におこなってもらうことが可能です。
 
なお、一口に「派遣社員」といっても、派遣契約期間中のみ雇用される「登録型派遣」をはじめ、派遣会社に無期限雇用される「無期登録派遣」、派遣期間終了後は派遣先の企業に正社員や契約社員として就業する前提の「紹介予定派遣」という3種類に分類できます。
 

正社員との待遇の差は違法なのか

職場にある冷蔵庫を使えるのは「正社員のみ」と決められているなど、同じ職場で仕事をしているのに待遇の差があるのは違法ではないのかと思う人もいるでしょう。しかし、前の段落で解説したように、派遣社員は人材派遣会社と雇用契約を結んでいるのであって、正社員のように企業と直接雇用契約を結んでいるわけではありません。冷蔵庫をはじめ、食堂や休憩室といった設備などの福利厚生は企業が社員に対して提供しているものであるため、企業と直接雇用契約を結んでいる社員以外の派遣社員には、会社の福利厚生を提供する義務はないのです。したがって、上述の冷蔵庫の使用は正社員のみに限定されている件も法的に問題になるとはいえません。
 
なお、正社員でなくても契約社員やパート、アルバイトなど、企業と直接雇用契約を結んでいる場合は、企業は福利厚生などの待遇を正社員と同じにしなくてはいけないことが義務付けられています。そのため、派遣社員として勤めている人は正社員や契約社員と比べて、職場で受ける福利厚生などの待遇が悪いと感じる可能性があるでしょう。法律については2015年に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」が改正され、第40条3項において、派遣社員の福利厚生施設の利用について、正社員と同じように利用できるように配慮しなくてはいけないという「配慮義務」が明記されました。
 
あくまでも強制義務ではないため、従わなくても罰則があるわけではありませんが、企業イメージへの影響などを鑑みて、改善を試みる企業も多いでしょう。場合によっては改善してもらえる可能性もあるため、待遇の差について気になることがあれば、まずは派遣会社に相談してみるのもひとつの方法です。
 

正社員との待遇の差は違法ではない

同じ職場で働いているにもかかわらず、冷蔵庫の使用は正社員のみといわれると待遇の差を感じてしまい、違法でないのかと気になる場合もあるでしょう。しかし、正社員と派遣社員は雇用契約を結んでいる先が異なり、契約先によって福利厚生の差が出るため、前述のような差は違法とはいえません。ただし、改善を求めることはできるため、気になる場合は派遣会社に相談してみるとよいでしょう。
 

出典

e-Gov法令検索 昭和六十年法律第八十八号労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー