「給料はすべて自分のものにしたい」、そう思う人は多いのではないでしょうか。   しかし、現実的には納税は国民の義務で、社会保険料や所得税、住民税が給料から引かれるのが会社員の宿命です。納税は仕方ないと思えても、気がつけば給料から強制的に差し引かれる「社内積立」、これには疑問を感じる方が少なからずいるのではないでしょうか。   なぜなら、必ずしも徴収されている社員が会社旅行や慶弔に参加するわけではないですし、個人の意思が反映されず徴収されている状況であれば理不尽に感じるからです。本記事では、社内積立と労働基準法の関係、積立に対する対策を紹介します。

社内積立と労働基準法

社内積立は、労働基準法にて示されています。労働基準法18条では、労働者が権利として取得すべき賃金の全部または一部を強制的に貯蓄させる強制貯金を禁止しています。
 
この社内積立を実施する場合には労使協定の締結届出が必要で、これを労働者に周知するようにしなくてはいけません。社内積立には、利子をつける必要があります。この利子も厚生労働省令で定める利率を下回ることができません。
 
また、労働者が貯蓄額の返還を請求した場合は、遅滞なくこれを返還しなくてはならないとされています。
 

社内積立に従いたくないときは

社内積立は労使協定にて旅行・慶弔など、目的を明確にすることが必要です。労使協定は労働組合が従業員を代表して結ぶものですから、自分だけ社内積立を拒否することはできません。社内積立にどうしても前向きになれない場合は、以下の点をおさえておきましょう。
 
・労使協定をチェック
社内積立の目的を説明されていないのであれば、労使協定が結ばれているかを確認しましょう。前述のように、社内積立は労使協定を結んでいなければいけません。労使協定が結ばれていないのに社内積立を徴収されていたのであれば、違法なので従う必要はありません。
 
・返還の請求ができる
社内積立は、返還の請求ができます。旅行などで、直前にけがや病気などで参加できなくなるなど正当な理由がある場合は、堂々と返還を請求しましょう。ただし、社内積立に従いたくないからといって、仮病を使うのは周囲の信頼関係を損なうのでやめましょう。
 
ただし、労使協定にて社内積立を返還しないとの定めがあれば、返還はされませんので注意して下さい。その点を踏まえても、労使協定の確認は重要です。
 
・メリットもしっかりと
慶弔のための社内積立は、自分にとってもメリットがあるものです。自身が結婚した場合や身内に不幸があった場合は、社内積立は非常にうれしいものになるでしょう。また、社内旅行や慶弔だけでなく、他の福利厚生として社内積立は活用されている場合もあるので、この点をしっかり整理し社内積立と向き合えるとよいでしょう。
 

まとめ

社内積立は、自身の意思に関係なく給料から天引きされ、使用目的も必ずしも自身の望むものではなく、従いたくない気持ちが強い人も少なくないかもしれません。労使協定を確認し、自分なりの向き合い方を考えていきましょう。
 

出典

厚生労働省 社内預金制度の適正な運用の為に
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー