老後に年金をいくら受け取れるかは、現役時代に納めた保険料によります。厚生年金に入っていなかったり、入っている期間が短かったりした人は、あまり多くを受け取ることはできません。そのような事情から、老後の暮らしを心配している人もいるでしょう。   そこで今回は、年金が月9万円だった場合には赤字になるならいくらくらいなのか、そのような場合はどうすればよいのか、詳しく解説します。

65歳以上の単身無職世帯における毎月の平均支出額は約15万5495円

総務省が2022年に行った家計調査によると、65歳以上で単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額)は15万5495円です。内訳は、消費支出が14万3139円、税金や社会保険料といった非消費支出が1万2356円です。
 
ただし、このうち住居費は消費支出の8.9%となっており、金額にすると1万2746円です。このように住居費が低い理由は、持ち家率が高いことだと考えられます。賃貸であれば家賃が発生することから、住居費はもっと高くなるでしょう。
 
仮に3万円住居費にプラスすると、平均的な支出額は18万円程度になります。仮に年金を月9万円しか受け取れないとすると、10万円近く足りなくなるでしょう。
 

足りない分はどのように補填するべき?

もしも年金だけでは収入が足りないのであれば、何らかの方法で赤字の分を補填(ほてん)するしかありません。まず考えられるのは、老後も何らかの形で働くことです。定年後も働く方法としては、再雇用と再就職が挙げられます。
 
再雇用は、これまで働いていた会社に定年後再び雇用してもらう方法です。2021年に高齢者雇用安定法が施行されたこともあり、企業が高齢者の雇用を促進する動きが強まっています。例えば、定年を70歳まで延長したり、65歳で定年を迎えた高齢者を再び雇用したりしています。この制度を活用し、70歳まで働くのもひとつの方法です。
 
ただし、再雇用された場合は現役時代よりも役職が低くなったり、給料が安くなったりする可能性があることを留意しておきましょう。
 
これまで働いていた会社とは別の会社に再就職する方法もあります。自分の希望や体力、健康状態を考慮し、適切な方法や職種を選ぶのもよいでしょう。仕事の探し方としてまず挙げられるのは、ハローワークによる紹介です。ハローワークには65歳以上のシニア層をターゲットにした窓口が設置されており、定年後の再就職について相談できます。また、シルバー人材センターを利用するのもひとつの方法です。
 
これらの方法で65歳以降は年金を受け取りながら働くことで、赤字分をある程度補填できるでしょう。
 

あらかじめ貯金などの対策を講じることも大切!

将来年金だけでは足りなくなることは分かっているのであれば、少しでも早く手を打ちましょう。例えば、比較的給料が高い現役時代のうちに貯金を始めましょう。つみたてNISAやiDeCoを活用するのもよいでしょう。
 
また、繰下げ受給の申請をすれば年金額を増やすことができます。繰下げ受給とは、年金の受給を66歳以後に遅らせることで年金が加算される制度です。66歳まで繰り下げると8.4%年金額が加算され、その後は1ヶ月毎に75歳まで0.7%加算されます。例えば、70歳まで年金の受給を遅らせれば42%加算されるので、月9万円の受給額が12万7800円になります。
 

年金だけでは足りない場合は事前に準備しておこう!

統計によると、老後は毎月15万〜18万円程度の支出が発生すると予想できます。年金だけでは収入が心もとない、という人はなるべく早くから対策に取り組みましょう。
 
再雇用や再就職のための準備を始めることも大切ですし、あらかじめ貯金をしておくことも重要です。また、繰下げ受給を申請して年金額を増やすことも考慮に入れるとよいでしょう。
 

出典

総務省 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 家計の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー