一般的に勤続年数が長くなるほど年収は増えていくものですが、その根幹となるのが基本給の昇給です。賞与も基本給をベースとするので、同じ月数の賞与だった場合は基本給が高いほうが賞与も高くなります。   しかし、入社してから基本給が上がらないという会社もあり、この場合は年収がなかなか上がらない点が問題です。基本給が入社してから一定期間上がらないことは労働基準法違反ではないのでしょうか?   そこで本記事では、基本給が上がらないことは労働基準法違反なのかについて解説していきます。

ベースアップと定期昇給の違い

賃金の改定によって基本給が上がるものとしては、ベアと省略されるベースアップと定期昇給があります。
 
ベースアップは賃金表の改定によって賃金の水準を上げることです。賃金表は学歴や年齢、勤続年数などで賃金がどのように決められているかを表にしたものとなっています。賃金表そのものが変わって賃金水準が上がる場合がベースアップ、賃金水準が下がる場合がベースダウンです。
 
これに対して一定の時期を決めて社内の昇給制度をもとに昇給することを定期昇給といいます。定期昇給がない場合でも手当の有無によって給与が毎年上がることもあります。
 

基本給の昇給がなかった会社は約2割

厚生労働省の調査によると、一般職で一定時期の基本給の昇給がある、つまり定期昇給がある会社は78%となっています。反対に定期昇給がない会社は18.9%です。
 
定期昇給の制度があったが定期昇給を行わなかった・あるいは延期した会社は3.9%で、定期昇給の制度がない会社と合わせると、基本給の昇給がなかった会社は約2割になります。
 
定期昇給を実施している会社がほとんどですが、定期昇給がない(もしくは実施していない)会社も特段少ないというわけではありません。
 

基本給の定期昇給がないことは違法?

基本給の定期昇給制度がないことは法律違反ではありません。そのため、基本給が据え置きのままでも問題ないことになります。しかし、就業規則や労働条件に昇給の有無や定期昇給についての記載がなければ問題です。
 
定期昇給制度がないこと自体は法律違反ではありませんが、そのことについて労働条件に明示しなければいけないと労働基準法で定められています。また、就業規則においても賃金の決定方法について必ず記載し、作業場の見やすいところに提示するなどの対応を取らなければいけません。
 
そのため、定期昇給制度がないことを労働条件や就業規則で周知していなければ労働基準法違反となるのです。
 
まずは、定期昇給がない場合は定期昇給制度がないことについて労働条件や就業規則に記載されているかを確認するようにしましょう。
 

就職や転職の際は定期昇給制度があるかを確認しましょう

定期昇給制度は基本給が一定期間で上がるもので、労働者としては重要な制度です。しかし、定期昇給制度がない会社や制度があっても実施していない会社は約2割もあります。そのため、就職や転職の際は注意したいところです。
 
特に自身や家族が就職や転職をする際は、入社する会社で定期昇給制度があるかを確認するようにしてみましょう。確認しなければいけないのは労働条件や就業規則です。昇給は数年後の年収に直結することなので覚えておいてください。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況
厚生労働省 労働基準法の基礎知識
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー