「住宅ローンの基本 その1 住宅ローンの基本事項」で触れましたが、住宅ローンには団体信用生命保険があり、借り手に万が一のことがあった場合、住宅ローンの残高を借り手に代わり返済してくれます。   この保険により、借り手の遺族は返済の債務から解放され、そのまま家に住みつづけることができ、貸し手である金融機関は貸付金が返済不能となるリスクを回避できます。   団体信用生命保険は、住宅ローンを成立させるためになくてはならない保険ということができます。その保険の機能と役割について、2回に分けて説明したいと思います。

団体信用生命保険の機能

住宅ローンの団体信用生命保険は、借り手(ローンを受ける人)と貸し手(銀行や金融機関など)の両方にとって重要な機能を持っています。具体的には、リスク軽減と経済的な安定を提供します。
 
・団体信用生命保険の契約形態:
団体信用生命保険の場合、貸し手である金融機関が契約者および保険金受取人となり、借り手が被保険者となります。
 
・借り手が受ける便益:
被保険者である借り手が死亡したときや、高度障害の状態に陥ったときなど保険金の支払事由に該当した場合に、団体信用生命保険によってローン残高に相当する保険金が支払われ、借り手の家族や遺族が住宅を失わないようにします。
 
これにより、家族には住宅ローンの債務が一切来なくなり、家族は債務から解放され、現在の住居に住みつづけることができます。
 
・貸し手が受ける便益:
団体信用生命保険に加入することにより、貸し手は借り手の死亡や高度障害により返済ができなくなるリスクを軽減することができます。団体信用生命保険の保険金受取人は、ローンの貸し手である金融機関です。
 
借り手に万が一のことがあった場合、団体信用生命保険によりローンの貸し手である金融機関にローンの残高が支払われるので、借り手は半ば自動的にローンの債務から解放されます。
 
・安価な保険料:
通常、団体信用生命保険は、個別に借り手が契約する死亡保険よりも保険料が低く設定されています。これにより借り手は、比較的安価な保険料で返済不能のリスクを軽減することができます。
 
団体信用生命保険の保険料が低く設定されているのは、住宅ローンを借りるために加入する保険であるため逆選択の余地が発生しないこと、および、事前に金融機関の審査に合格した人しか加入できないという制約によるものです。
 

団体信用生命保険の保障範囲と保険料の支払い方法

団体信用生命保険はローンに関する保険なので、その保障範囲は、個別の保険契約とは異なり、通常特定のローンに関連した範囲に限定されます。
 
・ローン残高の保障:
団体信用生命保険は、特定の住宅ローンなど、特定のローン契約に関連しています。借り手が死亡したり、高度障害に見舞われたりした場合、団体信用生命保険はそのローンの残高に相当する保険金を支払います。
 
・死亡または高度障害による支払い:
通常、借り手が死亡した場合、その死亡に関連するローン残高が保険によって清算されます。また、一部の団体信用生命保険にはガン疾病特約などが設けられており、借り手ががんなどの三大疾病にかかった場合でも支払いを行うことがあります。
 
・保険料の支払い方法:
通常、団体信用生命保険の保険料はローンの金利に上乗せして支払われます。つまり、ローンが終了すると保険契約も終了します。
 
団体信用生命保険の詳細な保障範囲は、契約の条件や保険会社によって異なる場合があります。したがって、具体的な保険プランの詳細については契約書をよく確認することが重要です。
 
次回「その2」では、団体信用生命保険のうち、借り手ががんなどの疾病にかかった場合でも保険の対象になる特約について、説明します。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー