老後生活を支える年金収入。しかし、受給額が少ないために不足分を補う必要があり、仕事を続ける高齢者の方は数多くいらっしゃいます。では通勤できる範囲で仕事が見つからないなど、何らかの事情がある場合はどうすればよいでしょうか。   生活に困窮している人を助ける国の制度として「生活保護」があり、申請を検討している方もいらっしゃるでしょう。   今回は、年金受給者で、かつ仕事ができる状態ではあっても事情により仕事が見つからない場合に、生活保護が受けられるのか調べてみました。

年金受給者も生活保護は受けられる?

厚生労働省によると、生活保護制度の目的は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することです。定年後に年金収入を得られたとしても、それだけでは生活できないケースがあります。
 
生活保護を受けるための要件として、年金や手当などほかの制度で給付が受けられる場合は、まずそれらを活用しなければなりません。
 
それでも厚生労働大臣が定める基準で計算される「最低生活費」に満たない場合は、その差額が保護費として支給されます。例えば年金月額「8万円」を受給している人が生活保護を受ける場合は、最低生活費から8万円を差し引いた金額が支給額です。
 
最低生活費は一律ではなく、地域・年齢・世帯人数などによって異なります。例えば最低生活費が13万円であれば、年金8万円を引いた5万円が生活保護として支給されます。
 

年金受給者で働くことが可能な場合は?

生活保護を受けるための要件には、働くことが可能な方は、その能力に応じて働くことが含まれています。
 
年金受給者でも、まだまだ仕事をして収入が得られる方もいらっしゃるでしょう。年金収入と就労による収入の合計が、最低生活費に満たない場合は、生活保護を受給できる可能性があります。
 
最低生活費が13万円で年金月額8万円の受給者が、パートなどで毎月3万円を稼いでいる場合は、生活保護として2万円が支給される場合があります。しかし年金収入と就労による収入が生活最低費の13万円を超えるようになると、生活保護は受けられなくなる可能性が高いでしょう。
 

働ける状況にあっても事情により働けない場合は?

まだまだ元気で働くことが可能でも、地方在住者などは通勤できる範囲で仕事が見つからないケースも考えられます。事情があって働けない場合は、お住まいの福祉事務所の生活保護担当に相談するとよいでしょう。生活保護の申請を行うと、資産調査や年金または就労収入などの調査とともに、就労の可能性の調査も行われます。
 
就労の可能性があると判断されると、就労に向けた助言や指導が行われますが、働けない事情が認められると生活保護を受けられる可能性があります。
 
生活保護の決定をする際に、持ち家や自動車など売却できる資産はないか、本当に働けないのかなど、調査の要件はさまざまです。生活保護受給中も、「能力に応じて勤労に励む」「健康の保持および増進に努める」「支出の節約を図る」など、守らなければならない義務が複数あります。
 
また福祉事務所のケースワーカーが年数回の訪問調査を行い、生活の維持や向上に必要な指導または指示をすることがあり、基本的にはこれに従わなければなりません。
 

生活保護の要件や受給者の義務を確認して申請を検討しよう

年金月額8万円を受給していて、なおかつ働ける状況にあっても、事情により働けない方は、生活保護を受けられる可能性が高いといえます。自身の就労の可否や、生活保護の要件と受給者の義務を今一度確認して、申請を検討してみるのもよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度

厚生労働省 「生活保護制度」に関するQ&A

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー