定年後の再雇用で非正規雇用になるのは致し方ないとして、提示された金額が十分に満足できるかどうか気になる方は多いでしょう。給与が業務内容に対して適切かどうかはもちろんですが、世の中の60代の平均的な給与と比較して高いのか低いのかを知ることで適切な判断につながります。   厚生労働省発表のデータをもとに、60代で月20万円の給与が適当かどうか見ていきましょう。

60代の給与事情

厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、60代の給与は次のようになっています。なお同調査における賃金は、令和4年6月分として支払われた所定内給与額の平均です。
 
正社員・正規雇用の場合、60〜64歳までの男性が35万500円、女性が27万6500円、男女計では32万9800円です。65〜69歳までの男性は30万9000円、女性は25万8900円、男女計では29万6600円となります。
 
一方で非正規雇用の場合、60〜64歳までの男性が28万3600円、女性が19万9100円、男女計では25万4300円です。65〜69歳までの男性は23万8000円、女性は18万5800円、男女計では22万900円となります。
 

非正規雇用の給与事情

非正規雇用の給与は、年代にもよりますが正規雇用と比較して10〜40%ほど低くなるのが実情です。20代以下の若い世代では正規・非正規雇用による給与差はあまり大きくないこともあり10%程度の差ですが、給与差が特に大きくなる50代では正規雇用に比べて男性で57%程度、女性で65%程度まで落ち込みます。以下に男女それぞれの正規・非正規雇用の年代別給与をまとめました。
 
図表1
 

年代 男性正規雇用 男性非正規雇用 女性正規雇用 女性非正規雇用
20〜24歳 22万1900円 20万6100円 22万円 18万8200円
25〜29歳 26万2200円 22万6300円 24万7100円 20万1700円
30〜34歳 30万1600円 23万3800円 26万3800円 20万2300円
35〜39歳 34万1800円 23万3300円 28万3300円 20万2200円
40〜44歳 37万700円 24万4000円 29万4200円 20万3600円
45〜49歳 39万5900円 24万円 30万400円 20万1600円
50〜54歳 42万1400円 24万1000円 30万7400円 20万円
55〜59歳 43万1000円 24万7300円 31万400円 19万9800円
60〜64歳 35万500円 28万3600円 27万6500円 19万9100円
65〜69歳 30万9000円 23万8000円 25万8900円 18万5800円
70歳〜 27万7600円 20万9500円 25万9800円 17万7300円

 
出典:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
 

60代、月収20万円で生活に余裕はある?

図表1から分かるとおり、60代でも正規雇用であれば月25〜35万円ほどあります。非正規雇用でも男性なら月23〜28万円程度もらえますが、女性は月20万円を切るような状況です。もしも65歳で定年後に月20万円の給与となるのであれば、女性ならば平均以上といえます。しかし、男性ならば平均より月4万円ほど低い金額です。
 
とはいえ、月給20万円+年金満額なら十分に余裕のある生活はできるでしょう。また、月給20万円+貯蓄で生活をして、年金受給年齢を遅らせるのも選択肢のひとつです。
 

非正規の60代でも月給20万円は低めの水準

以上のことから、たとえ非正規雇用であっても60代で月給20万円は高いとはいえないことが分かりました。女性の非正規雇用であれば同程度の水準ですが、男性の場合は月4〜8万円ほど低い金額です。ただし、金額だけでは適切かどうか判断できません。平均的な水準よりは低い金額とはいえ、与えられる業務内容によっては十分といえる可能性もあるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー