出産から、子どもが成長して大学を卒業するまでの間、子育てには多額の資金が必要です。日本では、子育てを支援するためにさまざまな制度が用意されており、給付金も支援制度のひとつです。   ただし、ほとんどの制度は条件を満たさないと利用できないケースもあるため、自分の世帯年収では、どの制度が利用できるのかを知っておくことは大切です。   今回は、子どもを妊娠・出産してから、子どもが大学を卒業するまでの間に、利用できる給付金の制度などをご紹介します。

出産から子どもが大学を卒業するまでの間に受けられる給付金や援助金の例

妊娠・出産にあたって利用できる制度は、以下の通りです。
 

●妊婦健康診査の助成金
●出産育児一時金

 
妊婦健康診査とは、妊娠が発覚してから子どもが生まれるまでの間、子どもと母親の健康状態をチェックするために定期的に行う診察のことです。自治体によって金額は異なりますが、妊婦健康診査に必要な費用の一部には、自治体からの助成金が受け取れます。
 
また、健康保険や国民健康保険の加入者が出産したときに受け取れるお金は「出産育児一時金」と呼ばれ、50万円支給されます。
 
子どもが生まれてから大学を卒業するまでに利用できる制度は、以下の通りです。
 

●児童手当制度
●高等学校等就学支援金
●高等教育の修学支援新制度

 
児童手当制度は、子どもが生まれてから中学校を卒業するまでの間、受け取れる給付金です。実際に受け取れる金額について、表1にまとめました。
 
表1
 

年齢 月額支給金額
0〜3歳未満 一律1万5000円
3歳〜小学校修了前 1万円
第3子以降は1万5000円
中学生 1万円

 
※子ども家庭庁「児童手当制度のご案内」を基に筆者作成
 
また高等学校等就学支援金は、所得などの基準を満たしていた場合に受け取れます。
 
高等学校等就学支援金を受け取れる年収の目安は910万円未満とされており、公立高校へ進学して要件を満たしていると、年間で11万8800円が支給されます。また年収が590万円未満ならば、私立高校へ進学する際に39万6000円が上限額として支給されます
 
さらに、世帯収入や資産の要件を満たして、かつ子どもに学ぶ意欲がある場合は、高等教育の修学支援新制度が利用できます。授業料や入学金の減免や給付型奨学金の支給が受けられるなどの手厚い支援を受けられるでしょう。
 

実際に援助金はいくら受け取れる?

世帯年収などによって受けられる制度は異なります。今回は、以下の条件の子どもがいる場合に、生まれてから大学卒業までに受け取れる給付金の合計額を計算しましょう。
 

●子ども1人
●世帯年収900万円
●4月1日生まれ
●高校は公立高校に進学

 
まず、妊娠をした段階で妊婦健康診査の助成金を受け取れます。
 
厚生労働省の令和5年3月の報道発表資料によると、公費負担の平均額は10万7792円でした。今回の計算では、報道発表資料の数値を使用します。子どもが生まれると、出産育児一時金として50万円が支給されるため、妊娠から出産までで、合計60万7792円受給できます。
 
また子どもが生まれると、翌月から児童手当の受給が開始します。第1子のため、0〜3歳未満は月額1万5000円、3歳から中学生の間は1万円です。すべて合計すると、16年間で210万円が受け取れます。
 
さらに、世帯年収が900万円ですので、高等学校等就学支援金も利用可能です。公立高校であれば年額11万8800円受給できますので、3年間で35万6400円受給できます。ただし住民税非課税世帯ではないため、大学の給付型奨学金や授業料の減免制度は利用できません。
 
妊婦健康診査の助成金と出産育児一時金、児童手当、高等学校等就学支援金をすべて合算すると、306万4192円受給できる計算になります。なお、家族構成や世帯の年収によって合計額は変わるため、注意しましょう。
 

給付金をいくら受け取れるかは世帯年収により異なる

住民税課税世帯の場合では、受け取れる主な給付金は妊婦健康診査の助成金、出産育児一時金、児童手当制度、高等学校等就学支援金です。
 
しかし、住民税非課税世帯や低所得世帯になると、大学進学で給付型の奨学金を利用できたり、授業料が減免されたりと、給付金の範囲が広がります。子どもの進学の際にお金に不安のある方は、どの制度を利用できるのかをチェックしておきましょう。
 

出典

厚生労働省 出産育児一時金の支給額・支払方法について

厚生労働省 報道発表資料 令和5年3月7日 妊婦健康診査の公費負担の状況にかかる調査結果について

子ども家庭庁 児童手当制度のご案内

文部科学省 高等学校等就学支援金リーフレット(1ページ)

文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度(授業料等減免と給付型奨学金)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー