年金は老後の暮らしを支える重要な制度です。しかし、ギャンブルで貯金が尽きるなど、目の前の生活が苦しいと、将来のことまで考えられない場合もあるでしょう。   そのような状態では、保険料を納められないどころか、納付済みの分を返金してほしいと思うかもしれません。本記事では年金制度に着目し、保険料を返してもらうことが可能かどうかを解説します。

日本の年金は賦課方式

基本的には、いくら生活に困っていても、年金の保険料を返してもらうことはできません。そう言われると、「自分が積み立てた分なのに納得できない」と感じる人もいるでしょう。
 
金融機関や民間の保険会社で行う積み立ては、途中で解約しても返戻金を受け取れるものが多いです。それらと年金は根本的に異なることを理解しておく必要があります。そもそも年金の制度は賦課方式で運営されており、保険料を積み立てているわけではないからです。
 
自分が支払った分は自分の年金ではなく、すでに老後を迎えている人たちの年金に使われます。現役世代が高齢者を支えていく世代間扶養で成り立っているのです。よって、保険料が積み立てられていると考え、それを返してほしいと要求するのは見当違いといえます。
 

多めの納付に対する還付

例外的に、納付済みの保険料が返ってくるケースもあります。ただし、これは生活資金の不足などを考慮して行われる措置ではありません。何らかの事情で多めに納めてしまった人には返金されます。
 
例えば、個人事業主として1年分の保険料を一括で納め、その年の途中で就職したケースなどです。この場合、就職後は給料から保険料が天引きされるため、そこからの分は二重払いになってしまいます。就職のタイミングによっては、重複がかなりの金額に及ぶこともあるでしょう。
 
その他どのようなケースでも、二重払いの事実が確認されると、国民年金保険料還付請求書が送られてきます。日本年金機構は、請求書の受付から1ヶ月ほどで受け取りが可能と説明しています。
 

猶予や免除を申請

生活資金の不足分を補いたいなら、保険料の返金とは異なる方法を考えなければなりません。また、そのような状態だと、保険料を納付していくことも難しくなりやすいです。未納の期間が続けば、老後に年金を受給できないだけでなく、資産を差し押さえられるリスクも生じます。
 
この事態を避けたいなら、日本年金機構が提唱しているように、保険料の猶予や免除を申請しましょう。いずれも本人や配偶者などの所得で可否が審査されます。猶予が承認されると10年以内の追納が可能です。一方、免除は全額から4分の1までの4種類で、所得によって適用される種類が異なります。
 

現状と老後を見据えて対策を検討しよう!

年金の制度が賦課方式だと理解すれば、保険料を返してもらえない理由も分かりやすいでしょう。多めに納付した場合に限り、還付を受けられる仕組みとなっています。
 
生活資金が足りないなら、この実情を踏まえて対策を講じなければなりません。保険料の猶予や免除の申請も視野に入れ、現状と老後の両方を見据えた対応をしっかり検討しましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料還付請求書を提出しましたが、いつごろ還付されるか教えてください。
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー