定年後も定年前と同じ会社で働こうと考えているものの、60代以降はどのくらいの給与が期待できるのか、気になっている人も多くいるでしょう。   定年前と定年後では給与が変わる場合が多いため、どのくらい変化があるのか確認することが大切です。本記事では、定年後の給与や仕事内容、雇用形態はどう変化するのかなどについて解説します。

定年後の給与は

定年後も定年前と同じ会社で働く場合は、新しく雇用契約を結び、「再雇用」という形で勤めるケースが一般的です。そもそも、定年後の再雇用は「高年齢者雇用安定法」によって定められているため、60歳で定年を迎えた社員が継続して働くことを希望した場合、企業はその社員を65歳まで雇用しなくてはいけません。
 
ただし、再雇用された場合、給与や働き方が定年前とは変わる場合がある点に注意が必要です。
 
まず、給与については、国税庁が公表している「令和4年分民間給与実態統計調査」における調査結果報告資料を参考にすると、男性の場合、20〜59歳までは年齢が高くなるにつれて1年間の平均給与が上がっていることが分かります。最も高い年齢層は55〜59歳で、平均給与は702万円です。
 
しかし、60歳になると100万円以上下がり、その後も年齢が高くなるにしたがって、平均給与が低くなっていることが示されています。具体的には60〜64歳の場合は569万円、65〜69歳は428万円です。女性の場合は、20〜59歳の間は300万円台を行き来しているため年齢による大きな差はありませんが、それでも60歳以降になると、徐々に給与が下がる傾向があります。
 
もちろん、勤務先などによって一概にいうことはできませんが、平均的な給与は定年前よりも定年後のほうが低くなりやすいといえるでしょう。
 

定年後の仕事内容や雇用形態はどうなるか

独立行政法人労働政策研究・研修機構が2020年に公表している「高年齢者の雇用に関する調査」の結果を参考にすると、定年後の仕事内容については「定年前とまったく同じ」が44.2%、「定年前と同じ仕事であるが、責任の重さが軽くなる」が38.4%となっていて、定年前と同じ人が若干多いことが分かるでしょう。
 
一方、従業員規模別にみると、従業員数が100人未満の小規模企業では「定年前とまったく同じ」の割合が47.0%であるのに対し、「定年前と同じ仕事であるが、責任の重さが軽くなる」と答えた割合が、300人以上の中規模企業では48.1%、1000人以上の大規模企業では44.3%となっています。
 
これらのことから、従業員規模が大きいほうが定年前と内容は同じでも責任の重さが軽くなる傾向があるといえるでしょう。
 
また、60代前半の継続雇用者の雇用形態は「嘱託社員・契約社員」が57.9%であるのに対し、「正社員」が41・6%、「パート・アルバイト」が25.1%です。定年後の雇用形態は企業によって異なりますが、嘱託社員もしくは契約社員として働く人が多いことが分かります。
 

定年後は給与が下がる傾向がある

企業によって差はあるため一概にいうことはできませんが、国税庁の調査結果をもとに定年後の平均給与をみると、男女ともに定年前よりも1年間の給与は低くなる傾向があることが分かります。
 
また、中規模企業や大規模企業では、仕事内容が定年前と同じではあるものの責任の重さが軽くなるといった変化が起こる可能性が高いといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 高年齢者雇用安定法改正の概要
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
独立行政法人労働政策研究・研修機構 高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー