退職金は、勤続年数によって受け取れる金額が変わってきます。特に、注意しておきたいのが「勤続20年」というタイミングです。このあたりで退職を考えている場合は、辞表を出す前に正確な勤続年数を確認しておかないと、損をする可能性があります。   本記事では、退職金を計算する際の年数のカウント方法や、「勤続20年」がポイントになる理由について解説していきます。

退職金を計算する際の勤続年数はどう数えるのか?

勤続年数のカウント方法は、入社した日から退職する日までを数えます。ただし、退職金の計算に用いる場合、1年に満たない端数については切り上げとなります。例えば、2000年4月1日に入社した人が2024年7月30日で辞めると在籍期間は24年4ヶ月です。
 
ところが、端数は切り上げとなるため、退職金は25年で計算されます。入社してから1年未満で退職する場合も、切り上げされるのは同じです。6ヶ月でも10ヶ月でも勤続年数は1年として扱われます。なお、勤続年数1年で退職金が出るかどうかは、会社の規定によって異なるため確認しましょう。
 

「勤続20年」で退職金に影響が出る理由

退職金は「退職所得」として扱われ、住民税と所得税がかかります。退職所得は、退職金から「退職所得控除額」を引いた額の2分の1になります。この退職所得控除の求め方が、勤続年数20年より多いかどうかで変わってくるのです。
 
勤続年数が20年以下の場合の求め方は「40万円×勤続年数」ですが、21年以降は「800万円+70万円×(勤続年数−20)」で計算されます。住民税と所得税がかかるのは、この計算方法で出された額よりも退職金のほうが多い場合です。
 
例えば、勤続年数が25年なら「800万円+70万円×(25−20)」ですから、1150万円が退職所得控除になります。つまり、退職金が1150万円を超えていなければ住民税と所得税はかかりません。では、分かりやすく勤続年数が20年の場合と21年の場合とで計算してみましょう。
 
勤続20年だと「40万円×20年」で退職所得控除は800万円、勤続年数21年なら「800万円+70万円×(21−20)」で870万円が控除されます。これだけではあまり差は出ませんが、勤続年数が35年になれば「800万円+70万円×(35−20)」で退職所得控除は1850万円に上がります。
 

退職金の規定がどのようになっているか確認しておく

退職金は、必ず支払われるものではなく、支給条件も会社ごとでそれぞれに決められています。例えば、勤続年数を3年以上としているケースもあれば、5年以上としているケースなどさまざまです。
 
細かい計算方法も会社によって変わってくるため、就業規則を見て確認しておくといいでしょう。自分の退職金がどれくらいになりそうか試算し、勤続年数から算出できる退職所得控除と比較すれば、退職所得を割り出すことができます。ボーナスがある会社であれば、支給時期もあわせてチェックしておけば安心です。
 

退職金の勤続年数は端数が切り上げされる

説明したように、退職金を計算する際の勤続年数は端数が切り上げになり、数ヶ月でも1年として計算されます。そして、所得税や住民税がかかるかどうかのポイントは退職所得控除です。勤続年数が20年以下か20年を超えているかで退職所得控除を求める計算は変わってきます。そのことを踏まえて、退職するタイミングは慎重に考えて決めましょう。
 

出典

国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
国税庁 No.2732退職手当等に対する源泉徴収
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー