日本では、さまざまな社会情勢の変化の対応や税金負担の公平性を確保するために、毎年税金制度の見直しが行われています。税金は国民の生活に深くかかわっているため、何の税金が変わるのかを知っておくことは大切です。   今回は、2024年に増税が検討されている税金の種類についてご紹介します。相続税やたばこ税など、多くの方に影響がある税金なので、参考にしてください。

2024年に実質的な増税、または増税が検討されているもの

2024年では、相続税の実質的な増税の開始や、たばこ税の増税が検討されています。特に、相続税の改正は、知っておかないと課税対象と知らずに無申告の状態になる可能性もゼロではありません。制度内容はしっかり理解しておきましょう。
 

相続税

2024年1月1日から、生前贈与の加算期間延長が始まりました。生前贈与の加算期間延長は、実質的な相続税の増税となります。そもそも、贈与税には暦年課税と相続時精算課税の2種類があります。生前贈与の加算期間は暦年贈与と相続に関係します。
 
暦年贈与は、「年間110万円を超える分に対して贈与税が発生する」といった暦年課税の仕組みを利用した贈与方法です。財産を相続した方が被相続人の生前に暦年贈与で財産を贈られていた場合、被相続人が亡くなる前に贈与した財産を生前贈与と言います。
 
これまでの制度では、被相続人が亡くなる3年前までに相続人へ贈った生前贈与は、贈与税のかからない110万円以下であっても相続財産として加算されていました。しかし、改正により加算期間が表1のように変更されています。

表1

加算期間 控除
改正前 被相続人が亡くなってから3年前まで なし
改正後 被相続人が亡くなってから7年前まで 4〜7年前に贈与された金額に対しては、合計で100万円分が控除される

※国税庁「令和5年度 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」を基に筆者作成
 
相続した財産とみなされる金額が増えるため、相続税の対象となる金額も増え、実質的な増税です。ただし、新たに加えられた4年分は、合計で100万円まで控除を受けられるようです。
 
なお、改正後の加算期間が適用されるのは、施行された2024年1月1日以降に受け取った贈与に対してなので、注意しましょう。つまり、2024年時点では7年前までさかのぼる必要はなく、年数がたつごとに、段階的に対象期間が増えていくことになります。
 
もし被相続人が2029年に亡くなった場合、相続人が相続財産の加算期間として扱われるのは2024年〜2029年の5年間のみです。
 

たばこ税

財務省による「令和6年度税制改正の大綱の概要」によると、加熱式たばこと紙巻きたばこの税負担の不公平が生じ、たばこ税の増税が検討されているようです。
 
税金の負担を適正化することで増えた収入は、防衛財源として使われるとされています。増税で検討されている内容は、金額にして、たばこ1本あたり3円です。
 

2024年は相続税の実質的な増税が施行される

2024年1月1日からは、生前贈与としての加算期間が3年から7年に延長となったため、実質的な相続税の増税になります。いきなり7年前までさかのぼるのではなく、段階的に変わっていきますが、今後、相続税の計算をするときには間違えないよう注意が必要です。
 
また、たばこの増税も検討されているため、たばこを吸う方は増税した場合に備えておくことをおすすめします。
 

出典

国税庁 令和5年度 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし
財務省 令和6年度税制改正の大綱の概要 III 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー