老後の生活は、多くの人にとって心配事の1つでしょう。そして、老後の心配事のうち、関心を持つ人が多数おりメディアでもしばしば取り上げられるのが、お金に関するものです。安心して老後を迎えるには、早いうちからお金を貯め、備えておく必要があります。   今回は、50代前半で2000万円貯められていれば、老後の生活は安泰なのかについて考えてみましょう。

65歳以上の人は生活費にいくらかかる?

仕事を辞めても、生活は続きます。当然ながら生活費がかかるわけですが、多くの人が定年を迎える65歳以降の生活費を、総務省統計局の「家計調査」の結果からみてみましょう。2022年の家計調査結果によると、65歳以上の1人暮らしの人の平均消費支出額は、勤労世帯で1ヶ月あたり14万9208円、無職世帯で14万3139円でした。
 
家計調査結果をみると、65歳以上単身勤労世帯の持ち家率は84.3%です。賃貸住宅に暮らしている人は、全体の20%にも届きません。住居にかかる費用は1万3530円なので、住居費を除いた生活費は毎月13万5678円となります。
 
65歳以降、賃貸物件に住むのであれば、これに家賃が上乗せされるため、毎月20万円を超える支出額となる人も出てくるでしょう。持ち家でも、ある程度ゆとりのある生活を望む人は、1ヶ月あたり20万円前後の生活費が確保できていると安心です。
 

年金の平均受給額は?

次に、年金の受給額をみてみましょう。厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金の平均月額は14万4982円でした。これには基礎年金月額も含まれています。現在50代前半の人が年金を受け取れる年齢になっても、同じ金額が支給されるとは限りません。あくまでも目安として捉えておく必要があります。
 

貯金2000万円で老後は大丈夫?

厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、50歳男性の平均余命は約33歳、50歳女性は約38歳です。平均寿命をみてみると、男性は約81歳、女性は約87歳となっています。仮に、85歳まで生きるとしましょう。65歳までは仕事を続けるとして、定年退職してから年金のみで生活すると仮定します。
 
毎月の生活費が20万円とすれば、年金のみでは5万円ほど足りません。年間では60万円、亡くなるまでの20年間では1200万円が不足します。とはいえ、貯金が2000万円あれば、1人暮らしの人はなんとかまかなえる計算です。
 

老人ホームに入る場合は?

いつか1人では生活が難しくなる可能性もあるでしょう。その場合には、老人ホームなどの施設に入れると、いくらか安心です。老人ホーム検索サイト「みんなの介護」によると、老人ホームの月額利用料の平均は15万2000円、中央値は13万5000円となっています。
 
年金の受給額と、ほぼ同じです。そこで提供されるもの以外のものも買ったり利用したりしようとすれば、やはり月額20万円ほどは必要になるでしょう。亡くなるまでにかかる費用は、さほど変わりません。
 

安心できる貯金額は?

老後2000万円問題は、夫婦2人暮らしで、定年退職してから亡くなるまでの期間が30年と仮定して、足りなくなる金額を推計したものです。1人暮らしで、定年退職してから亡くなるまでの期間が20年の場合は、貯金2000万円あればひとまず安心できるでしょう。
 
50代前半であれば、定年までにさらに貯金を増やすことも可能です。ただ、人はいつ亡くなるかはわかりません。予期せぬ事態が起こる可能性もあります。貯金はあればあるほどに安心です。2500万円、3000万円と増やすつもりで仕事をし、日々の生活を送る方がよいでしょう。
 

1人暮らしであれば貯金2000万円でもひとまず安心

65歳以上の1人暮らしの人は、毎月の生活費として20万円ほど確保できていると安心です。年金の平均受給額が15万円ほどなので、年金だけでは毎月5万円ほどの赤字でしょう。85歳まで生きるとすると、定年後の20年間で1200万円ほどが不足する計算です。
 
貯金2000万円あれば、計算上はそこまで不安になる必要はありません。しかし、貯金が多いに越したことはないため、可能であれば、さらに貯金を増やしておきましょう。
 

出典

厚生労働省年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省統計局 家計調査 家計収支編 2022年 単身世帯1世帯当たり1か月間の収入と支出
株式会社クーリエ みんなの介護 【一覧表でわかる】老人ホームの費用相場(種類別・都道府県別)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー