「ホワイト企業」「ブラック企業」という言葉が広く定着していますが、明確な基準があるわけではなく、その定義ははっきりとしていません。企業に勤める人のなかには、自分の企業がどちらに該当するのかわからないまま働いている人もいるのではないでしょうか。   そこで本記事では、どのくらいの固定残業時間と手取りならホワイト企業と呼べるのかを考えます。

ホワイト企業と呼べる目安は?

どのような企業がホワイト企業と呼べるのか、まずは固定残業時間の観点から考えてみましょう。転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」が運営する「働きがい研究所」の調査によると、2019年7月から2023年9月までの全体の平均残業時間は、月におおよそ23〜26時間程度で推移しています。この結果から、固定残業時間が20時間以下ならホワイト企業、25時間以下ならギリギリホワイト企業と呼べるでしょう。
 
次に、手取りの観点から考えてみましょう。手取りは年齢や性別によって変動しますが、一例として新卒の手取りから考えます。厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、大卒の初任給は22万8500円、高卒の初任給は18万1200円でした。ここから税金や保険料が引かれることを考慮すると、おおよそ8割が残り、手取りは15万円〜18万円程度となります。この結果から、新卒の場合は手取りが18万円以上ならホワイト企業、15万円前後ならギリギリホワイト企業と呼べます。
 

固定残業時間30時間で手取り19万円はギリギリホワイト企業?

固定残業時間と手取りから導き出したところ、新卒の場合は「固定残業時間25時間以下、手取り15万円前後」がギリギリホワイト企業と呼べる目安でした。これを目安にしてモデルケースを見てみると、手取りは目安をクリアしていますが、固定残業時間はクリアできていません。ギリギリホワイト企業と呼べる目安から5時間ほどオーバーしているため、ホワイト企業と呼ぶのは難しいでしょう。
 
また、2019年7月から2023年9月までの全体の平均残業時間は月におおよそ23〜26時間程度で推移しているものの、平均残業時間は年々減少傾向にあります。2023年7月から9月に限れば平均残業時間は22.76時間となっているため、「固定残業時間30時間」という数字は今後さらにホワイト企業の目安からかけ離れていく可能性があります。
 

固定残業時間と手取り以外の目安

どのような企業がホワイト企業と呼べるのかを固定残業時間と手取りから考えてきましたが、必ずしも「目安をクリアできていない企業はすべてブラック企業」とは言い切れません。固定残業時間と手取り以外の点も考慮し、総合的にホワイト企業かブラック企業かを判断するとよいでしょう。例えば、「労働時間」「休暇の取りやすさ」「福利厚生の充実度」なども、労働環境のよしあしを判断する重要な観点になります。
 

固定残業時間25時間以下がギリギリホワイト企業と呼べる目安

新卒の場合、「固定残業時間25時間以下、手取り15万円前後」をギリギリホワイト企業と呼べる目安にするとよいでしょう。ただし、固定残業時間と手取りはあくまで目安のひとつであり、企業の労働環境のよしあしを判断するには、ほかの点も考慮する必要があります。ひとつの目安だけでなく、総合的に見て判断していきましょう。
 

出典

OpenWork 働きがい研究所 日本の残業時間 定点観測
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 新規学卒者
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー