長時間労働などに疲れて、転職したいと思ったときに「転職までの生活費はどうしよう」と悩む人がいらっしゃるかもしれません。退職から新たな職場での給与をもらえるまでの生活費用はどのくらいかかるのか・無職期間で重荷になりそうな出費は何か、本記事で試算をまじえて解説します。

転職活動中の失業給付はいくらもらえる?

退職後にハローワークで「失業給付」の手続きをして失業給付をもらうまでに、「待機期間7日」と「給付制限期間(2ヶ月から3ヶ月)」を収入なしで過ごす必要があります。
厚生労働省が定めている正当な理由(けがや病気など)以外の自己都合で退職した人は、退職日から5年間のうち転職2回までは、給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されました。
 
手取り給与25万円(税引き前の月収約32万円、ボーナスなし)の人がもらえる失業給付金は、賃金日額から算出される基本手当日額×給付期間で決まります。

賃金日額:月収32万円×6カ月÷180日=1万666円
基本手当日額:1万666円の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)※年齢区分ごとに上限額あり

シミュレーションサイトでの試算では、月収32万円・45歳以上60歳未満の人の基本日額は約6152円となりました。この基本日額に、勤務年数によってもらえる期間を乗じたものが支給総額になります。
 
例えば、退職時の勤務年数10年以上20年未満では給付日数120日・失業給付総額約73万8240円、20年以上では給付期間150日・失業給付総額約92万2800円です。
 

転職が決まるまでに生活で必要なお金は、月いくら?

総務省統計局「家計調査(2023年7月から9月期)」の単身世帯での支出平均月額は約14万5212円(住居家賃を除く)で、内訳としては図表1の結果でした。
 
図表1

食費 4万3018円 保健医療費 7618円
光熱・水道費 1万187円 交通・通信費 2万1507円
家具・家事用品 6821円 教養・娯楽費 1万8113円
被服および履物 4384円 その他の消費支出 3万3564円

総務省統計局 家計調査(2023年7月から9月期)を基に作成
 
賃貸暮らしでの家賃目安は手取り収入の3分の1なので、家賃月額8万円以下程度なら、失業手当が給付されるまでの間の生活費は貯金50万円でまかなえる見込みです。
 

退職後の無職期間で重荷になりそうな出費は?

転職先が決まるまでの期間内に必ず納めなくてはいけない税金・社会保険料は、主に国民健康保険料と国民年金保険料・住民税です。手取り給与25万円(税引き前の月収約32万円)での住民税は、年額約16万5000円です。
 
自治体に納める国民健康保険料と、勤務していた会社の健康保険を任意継続した場合ではどのくらいの金額差があるのでしょうか。

<試算>

●40歳で年収(税引き前)384万円・手取り月収約25万円の、Aさんの国民健康保険料見込み額(住んでいる自治体によって、保険料率は異なります)。
医療分約20万2883円+支援分約6万8388円+介護保険料6万6846円=年額約33万7900円
国民健康保険料の年額約33万7900円+国民年金保険料の年額19万8240円=約53万6140円=1ヶ月あたり約4万5000円
 
●40歳で年収(税引き前)384万円・手取り月収約25万円の、Bさんの任意継続保険料見込み額(協会けんぽに加入していて、東京都在住)
標準報酬月額32万円×料率11.82%=3万7824円(年額約45万4000円)
任意継続保険料の年額約45万4000円+国民年金保険料の年額19万8240円=約65万2000円=1ヶ月あたり約5万4000円

退職したときの年収によって国民健康保険と任意継続の金額に差が出てくるので、退職前に健康保険料はどちらが安くなりそうかを試算しておくと良いでしょう。
 

まとめ

退職して転職が決まるまでの生活費には、ハローワークの失業給付をもらえるまでの待機期間を生活できる程度の貯金が必要です。失業給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されたので、失業給付をもらって転職先で働き始めるまで、なるべく貯金を使わないように生活費用を少し抑えることが望ましいでしょう。
 

出典

厚生労働省 「給付制限期間」が2か月に短縮されます
総務省統計局 「家計調査(2023年7月から9月期)」単身世帯での詳細結果表
協会けんぽ 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
ハローワーク インターネットサービス 基本手当について
ハローワーク インターネットサービス 基本手当の所定給付日数
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー