定年退職が迫ってくると、気になるのが退職金に関連する税金です。税金の額や手取り収入によって、退職金の使い道も変わってきます。   本記事では、退職金にかかる税金と節税方法について詳しく解説します。退職金にかかる税金をシミュレーションして、具体的な老後の資金計画を立てましょう。

退職金(退職所得)にかかる税金

退職金(退職所得)には、所得税、復興特別所得税、および住民税の3つの税金がかかります。これらの税金はそれぞれ異なる税率や控除額が適用されます。
 
計算方法を把握しておくことで、税額のシミュレーションが容易になり、具体的な資金計画を立てられるでしょう。
 
本項では、退職金にかかる税金について詳しく紹介します。
 

所得税・復興特別所得税

退職金にかかる所得税額は、「課税退職所得金額×所得税率−控除額」で計算します。課税退職所得金額は、退職金から退職所得控除額を差し引いた金額に2分の1を乗じた額です。
 
退職所得控除額は、図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数
20年超 800万円+70万円×(勤続年数−20年)

 
※国税庁「退職金と税」を参考に筆者が作成
 
例えば、勤続年数が30年で退職金が2000万円の場合、退職所得控除額は1500万円となり、課税退職所得金額は250万円です。
 
所得税額は「課税退職所得金額250万円×所得税率10%−控除額9万7500円=15万2500円」となります。また、復興特別所得税額は「所得税額15万2500円×2.1%=3202円」です。
 
※上記は概算となりますので、実際の金額とは異なる場合があります。
 

住民税

住民税は、課税退職所得金額に住民税率10%(市町村民税6%、道府県民税4%)を掛けて計算します。そのため、課税退職所得金額が250万円の場合、住民税は「250万円×10%=25万円」となります。
 
※上記は概算となりますので、実際の金額とは異なる場合があります。
※退職所得には均等割は課税されません。
 

退職金にかかる税金の節税方法

退職金にかかる税金を節税する方法には、一時金(一括)で受け取る、損益通算を活用するなどがあります。これらの手法を実践することで、退職金に関連する税金を軽減し、手取り額を増やせる可能性があります。そのため、これらの方法を事前に理解しておくことが重要です。
 
本項では、退職金にかかる税金の節税方法について詳しく見ていきましょう。
 

一時金(一括)で受け取る

企業によっては、退職金を一括で受け取るだけでなく、年金としても受け取れます。退職金を一括で受け取ることで、節税できる可能性があります。その理由は、退職金を一括で受け取る場合には、退職所得に区分され、退職所得控除額が適用されるからです。
 
一方で、退職金を年金として受け取る場合、退職所得控除は適用されません。公的年金等控除は存在しますが、退職所得控除より控除額が大きくない可能性があります(公的年金等控除は最大195万5000円)。
 
したがって、退職金を一括で受け取ることで、節税効果が期待できます。ただし、必ずしも一括が年金受け取りより節税効果が大きいとは限らないため、事前に試算することが重要です。
 

損益通算を活用する

不動産所得や事業所得、譲渡所得などがあり、赤字が発生した場合、退職所得との損益通算により節税できる可能性があります。損益通算は、赤字所得を他の黒字所得で相殺する仕組みです。これにより、課税所得額が減少し、節税効果が期待できます。
 

退職金には税金がかかる! 節税も検討しよう!

退職金(退職所得)には、所得税と復興特別所得税、住民税がかかります。予測される退職金をもとにして所得税や復興特別所得税、住民税を計算し、手取り額をシミュレーションしてみることをおすすめします。
 
これにより、より具体的な老後の資金計画を策定し、資金の使い道を明確にできるでしょう。ぜひこの機会に、退職金に関わる税金についてシミュレーションを実施してみてください。
 

出典

国税庁 所得税の税率

国税庁 退職金と税

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー