給与が上がれば、それに応じて手取りも増えます。しかし「具体的にどれくらい手取りが上がるのか分からない」という方もいらっしゃるかもしれません。   今回は、給与から手取りの金額を算出する方法について解説し、2万円給与が上がった場合について考えます。

給与からの手取りの算出方法

手取りの金額を求めるためには、給与から以下を差し引く必要があります。


・社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)
・所得税
・住民税

これらは年収によって額が定められており、条件に沿って計算が必要になる場合があります。
 

給与から引かれる税金の種類

手取り額を計算する場合は、初めに給与から給与所得控除、社会保険料、基礎控除を引いて「課税所得」を求める必要があります。そのため、ここでは給与から差し引かれる金額について説明します。
 

社会保険料

社会保険料として引かれるものは、表1の通りです。社会保険料は、企業と従業員でそれぞれ負担するかたちとなっており、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料を、下記をそれぞれ半分ずつに折半します。
 
表1

保険の種類 税率
健康保険料(東京都の場合) 10.00%
介護保険料 1.82%
厚生年金保険料 18.3%
雇用保険料(一般の事業の場合) 15.5/1000

※参照資料を基に筆者作成
 

所得税

所得税とは、1月1日〜12月31日までの1年間の個人の所得に対してかかる税金です。
 
全ての所得に課税されるわけではなく、所得から経費と所得控除を除いた「課税所得」から所得税が決まります。課税所得を求めた後、以下の計算式に当てはめて所得税を算出します。
 
・課税所得×税率−税額控除額
 
税率は5〜45%の7段階です。日本は累進課税制度を採用しており、所得が高い方ほど税率が高くなります。
 

住民税

住民税は、地域の福祉や教育、消防など、身近な行政サービスのために使われる税金です。住民税には、均等割、所得割の2種類があります。


・均等割:非課税限度額を上回る場合の定額負担
・所得割:納税義務者の所得金額に応じて、一律の税額負担(10%)を求めるもの

住民税は前年の所得に対して課税されて、翌年6月から徴収が始まります。
 

2万円昇給しても、そのまま手取りにはならない

2万円昇給しても、そのまま手取りになるわけではありません。一般的に手取りは総支給額の75〜85%になるといわれているため、昇給分に関しても、同程度と考えておくとよいでしょう。
 
手取りを考える場合は、給与から社会保険料や各種税金を差し引く必要があります。しかし、その金額は、ご家族の状況やお住まいの地域、年齢などによっても異なるため、一概にはいえません。
 
そのため、昇給したからといって生活水準を大きく変えると、家計の赤字につながってしまう可能性もあります。手取りを確認して、月の収支の計画を更新するようにしましょう。
 

出典

全国健康保険協会 協会けんぽ
令和5年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます 令和5年度都道府県単位保険料率
協会けんぽの介護保険料率について

日本年金機構 厚生年金保険料率 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
厚生労働省 令和5年度雇用保険料率のご案内

国税庁
所得税のしくみ
タックスアンサー(よくある税の質問)No.2260 所得税の税率

財務省 身近な税 Q&A 〜身近な税について調べる〜 Q.住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー