社会保険料の負担や配偶者の扶養控除がなくなることなどを嫌い、扶養内で働くことを選択している人も多いでしょう。国民年金保険料も厚生年金保険料も支払っていないのに、年金はいくらくらいもらえるのだろうかと気になっている人もいるのではないでしょうか。   そこで本記事では、ずっと扶養内パートだった場合の年金額や、老後資金を補うためにできる対策を紹介します。

扶養内パートの老齢年金は基礎年金のみ

扶養内で働いているパートタイマーの公的年金の被保険者区分は、第3号被保険者です。第3号被保険者とは、国民年金加入者のうち、厚生年金加入者(第2号被保険者)に扶養されている20〜60歳未満の配偶者をいいます。
 
第3号被保険者は年金保険料を個別で納める必要はありませんが、将来もらえる老齢年金は基礎年金のみです。老齢基礎年金の年金額は、満額の場合でも令和5年度で月額6万6250円、年額79万5000円しかありません。
 
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度の老齢厚生年金の平均受給額が月額14万3973円であることを考えると、少ないといわざるを得ないでしょう。
 

少ない年金額を補うためにできる工夫は?

扶養内のパートタイマーや専業主婦などで、将来もらえる公的老齢年金が少ないことが分かっている場合は、年金額を補う工夫が必要です。主な工夫の方法として、次の4つが挙げられます。

・国民年金の任意加入制度を利用する
 
・付加年金を支払う
 
・iDeCoに加入する
 
・NISAで資産運用する

以下で、それぞれについて詳しく見てみましょう。
 

任意加入制度を利用する

国民年金の任意加入制度とは、60歳までに納付済期間が40年(480月)に達しない人や、老齢基礎年金の受給資格を満たせない人が、60歳以降65歳になるまでの間(または納付済期間が480月に達するまで)、任意で国民年金に加入できる制度です。納付済期間に欠けがある場合は、任意加入をすることで老齢基礎年金の額を満額に近づけられます。
 

付加年金を支払う

付加年金とは、国民年金の定額保険料に毎月400円を上乗せすることで、老齢基礎年金を増やせる制度です。第3号被保険者の期間は付加年金を納められませんが、任意加入期間は付加年金を納付できます。付加年金を納めると、納めた月数×200円が老齢基礎年金(年額)に上乗せされます。
 

iDeCoに加入する

iDeCo(確定拠出年金)は、自分で掛金積立額を決めて運用し、運用成果に応じた金額を年金または一時金として60歳以降に受け取れる私的年金制度です。iDeCoに拠出した掛金は全額所得控除されるほか、運用益が非課税で再投資されるなどの税制優遇を受けられます。資産運用である以上元本割れのリスクはゼロではないものの、効率よく資産を増やしやすい、国も推奨する老後資金づくりの方法の一つです。
 

NISAで資産運用する

NISAとは、NISA口座内で購入した毎年一定金額の範囲の金融商品について、運用益が非課税になる少額投資非課税制度で、2024年1月より新しい制度が始まりました。長期の分散・積立投資に適した投資信託に積み立て方式で投資するつみたて投資枠と、上場株式などを対象とする成長投資枠に分かれています。iDeCoと似ていますが、60歳までは原則として資金を使えないiDeCoと異なり、いつでも好きなときに資金を引き出せます。
 

老後資金を見据えて年金+αの準備を

ずっと扶養内で働いていた人の年金は、老齢基礎年金のみです。現役時代には社会保険の負担がなく得したように思えても、老齢年金の金額が少ないために老後資金が足りなくなり、後悔することがあります。iDeCoやNISAなどの制度を活用して資産運用するなど、老後資金づくりのための対策を早めに始めておくことが大切です。
 

出典

日本年金機構 た行 第3号被保険者
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 付加年金
内閣府 政府広報オンライン 老後のために、いま、できる、こと。個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」
金融庁 NISAとは?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー