生活保護は経済的に困窮している人が、最低限の生活を維持できるようにするために利用できる制度です。   受給するためには、一定の条件を満たしている必要がありますが、決まった住所がない場合は申請できないと思っている方もいるでしょう。   本記事では「家がなくても生活保護の受給対象になれるのか」について、住む家がないときに利用できる可能性のある無料低額宿泊所の詳細も含めてご紹介します。

生活保護は住所がなくても申請できる?

厚生労働省によると、生活保護はすべての資産や能力を活用しても、収入が最低生活費を下回っている人が利用できるとされています。
また、下記の条件を満たしていれば、家がなくても生活保護の申請は可能です。

●資産を所有している場合は売却すること
●働ける場合は能力に応じて働くこと
●年金や手当など、ほかに利用できる制度があれば利用すること
●親族などから援助を受けられる場合は受けること

生活保護を受給するためには、施設に入る必要があるといった決まりもありません。
 
生活保護法第十九条によると「その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの」に対して「保護を決定し、かつ、実施しなければならない」とされています。
そのため、決まった住所がない人は、滞在しているところから一番近い福祉事務所に申請しましょう。
 

住む家がない場合に利用できる可能性がある無料低額宿泊所とは?

住む家がない場合は、無料低額宿泊所の利用を検討してみるとよいでしょう。
 
無料低額宿泊所とは、経済的に困窮している人を対象として、無料または低額な料金で簡易住宅を貸し付けたり、宿泊所を利用させたりする事業を行う施設のことをいいます。
 
厚生労働省が令和2年に実施した「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査」によると、全国600以上ある施設に1万6397人が入居しており、うち1万5183人が生活保護受給者です。
 
入居者が施設に入居する前の状況については、表1のようになっています。
 
表1

入居前の状況 路上生活 (ネットカフェなどを含む) 病院に入院 ほかの社会福祉施設(無低除く)に入所 ほかの無料低額宿泊所に入居 簡易宿所 居宅 その他
割合 35.4% 11.3% 5.2% 11.7% 2.0% 19.2% 14.0%

※厚生労働省「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)」を基に筆者作成
 
無料低額宿泊所を利用する前は、ネットカフェを含む路上生活を送っていた人が多いことが分かります。
また「居宅」と回答した方は19.2%ほどであることから、住所のない方の多いことが分かるでしょう
 

家がなくても生活保護は申請できる

生活に困窮している人を対象とした生活保護は、現在住んでいる家がなくても申請が可能です。
滞在している場所の一番近くにある福祉事務所で、申請手続きを行いましょう。
 
住む家がなくて困っている場合は、無料低額宿泊所を探してみるとよいでしょう。
 
生活保護を受給しながら住むことができるため、実際に多くの生活保護受給者が利用していますので、検討してみるとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省
 生活保護制度
 生活保護を申請したい方へ
 無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)
  1.基本事項(3)定員数及び年齢区分別の入居者数、被保護者数(1ページ)
  5.入居者の状況(2)施設入居前の状況別の入居者数(5ページ)
デジタル庁 e-GOV法令検索 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号) 第四章 保護の機関及び実施(実施機関)第十九条
東京福祉局 無料低額宿泊所(宿泊所)とは
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー