定年を迎えた後も、引き続き仕事をしたいと考える人は多いでしょう。実際に令和2年の内閣府の調査によると、男性の60〜69歳と女性の60〜64歳の6割以上が仕事をしています。 しかし、定年後の再雇用では雇用形態が変わるため、定年前と同じ給与条件で働くことは難しく、生活費の不足を心配に思う人もいるでしょう。   本記事では、再雇用後の平均給与や定年後の生活費を補填(ほてん)する制度について解説していきます。

再雇用後の平均給与とは?

国税庁が公表している令和4年度「民間給与実態統計調査」より、年齢階層別の給与平均額をまとめたものが図表1です。
 
図表1

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査を基に筆者作成
 
59歳までは年齢が上がるにつれて平均年収が高くなる傾向にありますが、60歳以降は平均給与額が下がる傾向にあることがわかります。男性の場合は定年前(55〜59歳)と定年後(60〜64歳)では133万円、女性では62万円給与が下がっています。
特に男性は100万円近く給与が下がることから、生活費に支障をきたす可能性が高くなります。
 

定年前後で仕事内容は変わるの?

続いて、定年前と後で仕事内容に変化があるのかについて見ていきましょう。独立行政法人労働政策研究・研修機構が2020年に発表した「高年齢者の雇用に関する調査」を参考に、定年後の仕事が定年前と全く同じ仕事だと答えた割合が多い上位5業種と、全業種の合計をまとめたものが図表2となります。
 
図表2

独立行政法人労働政策研究・研修機構 高年齢者の雇用に関する調査(2020年3月)を基に筆者作成
 
企業全体のうち44.2%は「定年前とまったく同じ仕事」、38.4%は「定年前と同じ仕事であるが、責任の重さが軽くなる」と答えています。定年前後で仕事内容に大きな変化がない企業が多いことがわかるでしょう。
さらに図表2から運輸業は業務内容が変わらないと答えた割合が60%を超えており、他の業種よりも定年前後で業務内容が変わらない人たちが多いことがわかります。
 

再雇用後に減った収入を補填してくれる制度とは?

再雇用後に給与が大きく減額されてしまうことで、今まで通りの生活が送れないのではないかと不安に思う人もいるでしょう。その場合は「高年齢雇用継続給付金」を検討してみましょう。
 
高年齢雇用継続給付金とは、60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満に減ってしまった際に、毎月の賃金を補填してくれる制度です。対象者は再就職手当金などの基本手当を受給していない60歳以上65歳未満の方で、最高で賃金額の15%に相当する額を支給してもらえます。詳しく知りたい人は近くのハローワークで確認してみましょう。
 

再雇用後は給与が減る可能性が高いため、減額分は給付金も検討

定年を迎えた後も再雇用で働く場合、雇用条件が見直されるため、定年前と比べて給与が減額される可能性があります。また定年後も仕事内容や業務負担が変わらない業種も多くあるようです。
再雇用になって給与が下がり生活費に不安を感じる場合は、条件を満たせば「高年齢雇用継続給付金」が受け取れます。生活の補填として活用することを検討してみましょう。
 

出典

内閣府 令和2年版高齢社会白書(全体版)
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
独立行政法人労働政策研究・研修機構 高年齢者の雇用に関する調査(2020年3月)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー