私たちが病院などで治療を受けた場合、健康保険によって自己負担が抑えられています。しかし、自己負担がゼロになるわけではありません。そこで、特に入院などにより、治療費の自己負担が高額になった場合に備えて、保険会社から販売している医療保険を検討することもあるでしょう。本稿では、保険の基本のおさらいということで、「保険会社が販売している医療保険」について考えてみたいと思います。

「保険会社が販売している医療保険」は、どんな時に役立つの?

一般的に「保険会社が販売している医療保険」の内容は、契約によって異なります。保険金支払いの対象になるのは「病気やけがで入院をしたとき」で、これが保険事故(=保険金支払いの対象)に該当するというのが原則です。
 
ここでは損害保険協会のサイトに例示された、保険金の支払い例を挙げます。

☆治療費の一部負担
 
☆入院に伴う諸費用(差額ベッド料、親族付添費用など)
 
☆高度先進医療を受けたときの技術料

「保険会社が販売している医療保険」の対象にならない入院

「保険会社が販売している医療保険」はすべての入院を対象にしているわけではありません。対象外となる入院は以下のとおりです。

☆麻薬やシンナーの使用による病気や薬物・アルコール依存による病気などによる入院
 
☆美容上の処置、疾病を直接の原因としない不妊手術
 
☆治療を伴わない人間ドック検査などによる入院
 
☆正常分娩

病気やけがをしていると「保険会社が販売している医療保険」を契約できない?

医療保険は契約の時に、現在の健康状態や過去の病歴などに関する質問に答えるかたちで告知しなければならない、告知義務があります。そして、その告知の内容によって「契約を結ぶ」「(保険会社から)契約を断る」「特別な条件を付けた上で契約を結ぶ」のいずれかのパターンになります。
 
「特別な条件」は、以下のとおりです。

☆保険料の割増
 
☆保険金の削減
 
☆特定疾病群不担保(特定の範囲の病気を保険の対象としない)
 
☆特定部位不担保(身体の特定の部位を保険の対象としない)

以上のことから、必ずしも、病気やけがをしていると「保険会社が販売している医療保険」を契約できないわけではありません。
 

告知するべきことを告知しなかった場合

既述のとおり「保険会社が販売している医療保険」を契約する時には、現在の健康状態や過去の病歴などを、保険会社からの質問に答えるかたちで告知しなくてはなりません。では、質問に答える時に、事実と異なることを書いたり、逆に(書くべきことを)書かなかったりした場合、どのような不利益が生じるのでしょうか?
 
正しく告知を行わなかった箇所と病気やケガ(保険事故)との間に因果関係が認められない場合には、保険金を受け取ることができます。しかし、そもそも保険会社が得た告知内容は保険会社が保険料の算出のため、あるいは契約を結ぶか否かの判断するために利用しますので、契約者が正しく告知を行わなかった場合、契約が解除されてしまったり、保険金の受け取りができなかったりすることがあります。
 
「保険会社が販売している医療保険」の保険金を請求する時というのは、病気になってしまったり、退院したばかりだったりする等、経済的にも身体的にも弱っている時だと思われます。そんな時、保険金がスムーズに入金されれば、多少なりとも心強さを感じることもあるでしょう。
 
しかし、保険金を請求した時に「申込時の健康告知書に疑わしいことがあるので、詳しくたずねたい」などと言われてしまうと、ただでさえ弱っている時に、ますますつらくなってしまいます。健康告知書は、正確にありのままを答えるようにしましょう。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役