年金の受給額を増やすため、繰下げ受給を検討している人も多いでしょう。この繰下げ受給を夫婦それぞれ別のタイミングで申請したい人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、タイミングずらしの可否、また、夫婦で年金の繰下げ受給をする場合に気を付けるべきポイントは何かということを詳しく解説します。

繰下げ受給は夫婦それぞれ別のタイミングで申請できる!

まず、繰下げ受給は夫婦それぞれ別のタイミングで申請できます。繰下げ受給の申請は、受給権者それぞれ個別に行えますし、老齢基礎年金と老齢厚生年金でもそれぞれ個別で行えます。そのため、夫婦であっても、同じタイミングで申請しなければならないわけではありません。
 
例えば、夫は繰下げ受給を申請せずに妻だけが申請することもできますし、夫は5年間繰下げし、妻は10年間繰下げするということも可能です。また、夫婦それぞれ老齢基礎年金は繰下げ受給を選択するものの、夫の老齢厚生年金は通常通り受給するといったこともできます。
 
夫婦でどのように受給すれば最も都合よく年金を受け取れるのか、よく話し合いましょう。
 

夫婦で繰下げ受給を検討する際に注意するべきポイント

夫婦で繰下げ受給を検討する際にまず注意するべきポイントは、加給年金制度です。年金の配偶者手当とも呼ばれるこの制度は、厚生年金保険に20年以上加入している人が65歳になった時点で扶養家族となる配偶者や子がいる場合、一定の額が老齢厚生年金額に加算して支給されるというものです。
 
この加給年金は、配偶者が65歳まで、子が18歳になるまで支給されます。配偶者と2人目までの子に支給されるのはそれぞれ22万8700円、3人目以降はそれぞれ7万6200円です。
 
注意するべきポイントは、受給者が繰下げ受給を選択した場合、その待機期間中は加給年金が支給されないということです。例えば、夫と妻の年齢が10歳離れており、妻が加給年金の対象者である場合、本来であれば夫は加給年金として、老齢厚生年金に加えて22万8700円を10年間受給できます。その合計額は、228万7000円にもなるわけです。
 
しかし、ここで夫が75歳まで繰下げ受給を検討すると、その待機期間中に加給年金は支給されません。そうして加給年金の受給開始時点で妻が65歳になってしまうため、結果として10年間の加給年金を受け取れなくなるのです。
 
また、繰下げ受給の待機期間中は振替加算も適用されません。振替加算とは、65歳になった加給年金の対象者が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれており、厚生年金や共済年金の加入期間が一定の条件以下である場合に支給されるものです。
 
このように、配偶者や子が加給年金の対象者である場合、繰下げ受給を選ぶことが本当に得になるのか、よく考えることが大切です。
 

繰下げ受給は夫婦それぞれ別のタイミングで選択できる!

年金の繰下げ受給は、夫婦が同じタイミングで申請しなければならないものではありません。夫婦それぞれが別のタイミングで申請できます。また、老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらか一方だけ繰下げるといったことも可能です。ただし、繰下げ受給の待機期間中は加給年金や振替加算が適用されなくなってしまうので注意しましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 加給年金額と振替加算
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー